東日本大震災の犠牲者を追悼し、被災地復興と脱原発を願う催し「3・11への祈り」が9日、岡山市内であった。原発ゼロを目指す市民グループや避難者支援団体などが企画し、原子力に依存しない社会をつくることを誓った。

 午前の部の「さよなら原発のつどい&ウオーク」には約400人が参加。「原発いらない」と書いた風船を手に、「原発をやめよう、命を守ろう」と声を上げてJR岡山駅前の大通りを歩いた。

 娘2人と参加した岡山市北区の会社員大塚恵さん(39)は「3・11までは原発について何も考えていなかったが、今は子どもたちのためにもなくすべきだと思う」と語った。放射能を避けるため、千葉市から備前市に家族3人で移住した自営業三宅晃介さん(48)は「原発事故は収まっておらず、復興も進んでいないように感じる。みんなが事故の恐ろしさを忘れないようにしないと」と話した。

 午後の部の「祈りのつどい」は北区の岡山バプテスト教会であり、宮城県や福島県からの避難者が「命より大切なものはない。みなさんと集えることを幸せに思う」などと語りかけた。地震が起きた午後2時46分に参加者全員で黙禱(もくとう)した。(吉村治彦)