能面ヅラ美

30代半ばの未婚女、内向的なヅラ美です。マイペースです。1人が好きです。クールです。能面顔です。

それでもやっぱり私は、花や植物との暮らしに興味が無い

若い頃、付き合っていた男性から一度だけ花をもらった事がある。花束というほど大きなものではなく、花嫁が持つブーケくらいのもの。私は嬉しかった、その気持ちが。でも花には全く興味が無い。

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そんな私の性格を知っていた彼は「ヅラ美ちゃん持ってないでしょ?」と、花瓶も用意してくれていた。私が大切にするべき男性はこの人だったのだろう…と今になって思うものの、あとのまつりだ。


私は植物に興味が無い。桜や向日葵やレンゲ畑を見て「きれいだな」と思う感覚はある。女の子みたいに「わぁぁ!きれーい☆」とはしゃぐ事もある。でも、それだけだ。

小学生の夏休みに育てていた"ヘチマ"は、ツルだけグングン伸びるものの花は一切咲かなかったし、"幸せの木"という観葉植物を枯らしてしまった事もある。ガーデニングやベランダ菜園など、自分で植物を育てるというものには一切興味がない。

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以前会社の人から飲みに誘われ、断りきれず居酒屋に連れていかれた。その帰り、飲み屋の店員さんが私と他の女性にガーベラの花を1輪ずつくれた。店が何周年記念とかで、女性客に配っているのだそう。私は、1輪のピンク色のガーベラを見て素直に「かわいい」と思った。

家に持ち帰ったガーベラは、茎を短めに切って水を張ったコップに入れた。部屋に植物を迎え入れたのは久しぶり。枯らした観葉植物以来だ。生活感に溢れ、オシャレ雑貨も間接照明も一切無い私の部屋に、一輪のガーベラが飾ってあるのは違和感しかないが、まぁ悪くもない。可愛らしい花だ。

その日から花の水は2日に1回くらいのペースで変えた。これでいいのかよく分からなかったけれど、花がしおれる事は無かった。結構日持ちするんだな~なんて思いながら日々を過ごした。ただ、鮮やかなピンクだった花びらの色は、徐々に薄くなっていった。

花びらの色が薄くなるのと同時に花粉も落ち出したので、コップの下にティッシュを敷いた。その後も花びらの色はどんどん薄くなり、気が付くとほぼ白に近い状態になっていた。

私は思った。これは、いつが捨て時なんだ?と。このガーベラの命の終わりが、いつなのかが分からない。花びらの色は白くなっているけれど、しおれる気配はない。花びらには張りがある。花粉は相変わらず落ちまくっている。

でも、ここまで花びらが白くなってしまっては、もう"飾り"としてはお役目終了なんじゃないかと思う。というわけで捨てる決心をしたのだけれど、これをどうやって捨てればいいのか?

ゴミ箱にポイでは悲しすぎる。かと言って、泣きながら土に埋めるほど感情移入はしていないし、植物にそこまで翻弄されていたら心に問題があるだろう。

結局私は、ガーベラを紙に包んでゴミ箱に捨てた。が…しおれていない花を紙に包んでしまう事も、ゴミ箱に捨てるという行為もなんだか抵抗があった。

こんな気持ちになるのは、いかにも"優しい人"って感じだな…と自分の感情に酔いしれてみるものの、その後もやっぱり私は植物に興味が持てず、部屋に花を飾る事は無い。

読んでいただきありがとうございました。

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