福井県の大飯、高浜両原発の再稼働に向けた動きが強まる中、両原発の30キロ圏にある舞鶴市の総合文化会館で9日、「3・9原発ゼロをめざす京都北部集会」があり、市民ら約600人(主催者発表)が参加した。

 京都市在住の環境ジャーナリストで、水俣の写真集でも知られる脱原発市民団体代表のアイリーン・美緒子・スミスさんが講演。「何十年も原発(の新設)を止めてきた人々、問題提起を続けてきた人々の努力のおかげで、今の日本は原発がゼロになっても社会が機能している」と評価。「こうした人々や福島の被災者の悲しみの上に、(原発ゼロという)大きなチャンスをもらえている。絶対逃したくない」と述べた。

 アイリーンさんはそのうえで、30キロ圏内にありながら舞鶴市長が再稼働に権限をもっていないことや、事故が起きた際の広域避難計画がまだできていないなどの問題点を指摘。「再稼働を許せば、せっかく開きかけた省エネや再生可能エネルギー中心の社会への扉を閉ざすことになる」と、両原発の廃炉を訴えた。(福家司)