ソムリエやワインバイヤーなどの経歴を持つ Kevin Boyer 氏と、認定ワインスペシャリストの肩書をもつ起業家の Philip James 氏が、水に少量の添加成分を加えしばらく置いておくだけでワインができあがるボトル、The Miracle Machine を開発しました。現在はクラウドファンディングサービス Kickstarter で製品化資金の調達をすべく準備中です。  
通常、ワインはぶどうの実を潰し、その果汁を発酵させて作ります。The Miracle Machine では飲料水に添加成分を加え、テーブルの上に置いて数日待つだけでワインを醸造してくれます。添加成分と言っても人工的な成分ではなく、濃縮ぶどう果汁やワインイーストなどの粉末を少量加えるだけです。

もちろん The Miracle Machine はただの保温ボトルではありません。醸造に最適な温度を保持するヒーター、発酵ぐあいを測るデジタル屈折計、低酸素状態を維持し糖のアルコール化を促進する脱気用ポンプ、風味を行き渡らせる超音波撹拌機構などを内蔵し、それらが Arduino ベースのコントローラーによって制御されます。
 
 
iOS /Android に対応するスマートフォンアプリでは、できあがったときの風味などを設定するほか、醸造の進み具合、各センサーから得られた温度や糖度などの値も確認できます。さらにワインとして飲めるようになるまでの残り時間などもわかるので、ワイン好きなら眺めるだけでもワクワクできそうです。なお、アプリと本体とは Bluetooth で通信を行います。
 
 
現在は Kickstarter への登録準備段階なので、まだ商品化される保証は得られていません。しかし、今後資金調達に成功し、はれて商品化となった場合は499ドルの本体価格で販売する予定とのこと。また、材料の水に加える添加成分は、2ドル前後でアマゾンなどで販売する計画です。

さて、最後に重要なお知らせですが、日本では酒税法によりアルコール度数が 1% を超える酒を家庭で作ることを禁じています。したがって、国内で The Miracle Machine を使ってワインを作ると違法行為になってしまいます。将来の顧客として、日本向けにアルコール度数 1% 未満で作れるメニューの追加をリクエストしてみるのもいいかもしれません。ちなみに、国内で一般に販売されている「手作りワインキット」などは、アルコール分が1度未満となるように作られています。