従軍慰安婦問題:少女像保存訴える市民らが会見
毎日新聞 2014年03月10日 11時02分(最終更新 03月10日 11時07分)
【ロサンゼルス堀山明子】米カリフォルニア州グレンデール市の公園に設置された従軍慰安婦を象徴する少女像を支持する市民が国際女性デーの8日、公園内で記者会見し、「少女像は人権と平和の象徴」と保存を訴えた。
日系アメリカ人らでつくる「歴史の真実を求める世界連合会」(会長、目良浩一・南カリフォルニア大元教授ら)が2月、像の撤去を求めて市を提訴したことに危機感を強め集まった。市内の人権団体やアルメニア系、日系市民団体のほか、市外から中国、タイ、フィリピン系ら計13人が会見で発言。関係者約30人も見守った。
会見で日系アメリカ人のフィル・シゲクニさん(80)は、第二次世界大戦中に強制収容所に隔離された日系人は戦後、米政府に補償と謝罪を求め運動したことに触れ、「(1988年の補償法で)謝罪された時、アメリカ人と認められ、生まれ変わった気持ちになった。慰安婦はきちんとした補償も謝罪も受けていない」と述べた。
ロサンゼルス市にある「リトル・タイ」のコミュニティー開発センターのチャンチ・マトレルさん(45)は「提訴を受け、像を守らなければと思い、初めて会見に加わった。慰安婦は売春婦だから撤去しろという発想は、女性全体に対する人権侵害だ」と批判した。
グレンデール市のデーブ・ウィーバー市長は2月25日の市議会で、像を撤去しない考えを表明しており、反論書を月内に連邦地裁に提出する。