2014年3月10日10時44分
ハネムーン先として人気のタヒチ・ボラボラ島から帰国して「ジカ熱」を発症した患者が、国内で初めて確認された。蚊に刺されて感染し、現地で流行しているという。発熱や発疹など症状は風疹やはしかに似ている。重症化することはまれで大きな心配はいらないが、幸せな旅行に水を差されないためにも蚊には注意したほうがよさそうだ。
国立国際医療研究センターのグループが欧州の専門誌(電子版)で報告した。患者は20~30代の男女2人。それぞれ別の旅行で昨年12月、島に6~10日間滞在。帰国後、発熱、関節痛、発疹などがあった。いずれも数日で快復したという。報告した忽那賢志(くつなさとし)医師は「長袖を着るなど体の露出をなるべく避け、虫よけ剤を使うなどしてほしい」と話す。有効な治療薬やワクチンはない。
米疾病対策センター(CDC)などによると、タヒチでこれまで、ジカ熱に感染した疑いのある患者は8千人以上。現地では、蚊に刺されて感染するデング熱も流行している。重症化することもあるため、帰国後に症状があれば受診が望ましいという。
タヒチ観光局などによると、タヒチを訪れる日本人は年間約1万3千人。7~8割はボラボラ島で、多くがハネムーンという。豪華な水上バンガローなどで知られ、「地球で最も美しい島」と言われている。世界30カ国で展開する旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」で昨年、南太平洋人気ナンバー1の島に選ばれた。(武田耕太)
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朝日新聞国際報道部
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