ブランドコンテンツとして、「薄い財布」などの製品を販売するブランド「abrAsus」の南和繁さんにお話を伺いました。いやー、ずっと財布のことを考えますよ、このお方!めっちゃ面白いインタビューに仕上がりました。

薄い財布 abrAsus(メンズ)〜ポケットの中で快適な薄型二つ折り~アブラサス SUPER CLASSIC 人気


学生時代から構想していた「薄い財布」

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イケダ:早速、「薄い財布」についてお伺いしたいのですが、そもそもなぜこの財布をつくろうと思い当たったのですか?

南:もともとスーツを着る仕事をしていたんですが…もっと前の学生時代から本来財布は薄くあるべきだ、と思っていたんです。

イケダ:学生時代から!年季が違いますね(笑)

南:ポケットというのはサイズが決まっているわけじゃないですか。なかには「小さい財布」もあるんですが、それらは結局、折り畳んだりすると分厚くなってしまって快適ではなくなってしまうんですよね。いろいろ試してみたんですが、既存の商品は根本的な解決をしていないと思ったんです。

それで、2009年に会社をつくったとき、ウェブの制作だったり飲食店のコンサルなどをやったりしていたんですが、あるとき「本当に欲しい財布を、自分のために作ってみよう」とアイデアを考えみました。自分が欲しかっただけなんですが、そのアイデアを友達に話すと「それは面白いし、理にかなっている!」と、受け入れられることが多かったんです。

そこで、これはもしかしたらぼくだけではなく、『全員が好きじゃないけど、ある程度の人が受け入れられるもの』になるかもしれない、と思いビジネスを立ち上げました。

イケダ:いやー、ずっと財布のことを考えてきたんですね(笑)ぼくはそういう人のお話を聴くのが大好きなんです。開発者の想いとして、これまでの財布の問題点だったり、「薄い財布」の革新的な部分を教えてください。

南:一般的な財布をあらためて見てみると、色々な問題点があることに気付いたんんですよ。まず、普通の財布は「カード」と「小銭」が重なっています。それでは当然分厚くなります。ではどうするか?と考えたときにカードと小銭をずらすことを最初のアイデアとして思いつきました。

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このアイデアは、2009年くらいに薄いケータイ、薄いパソコンが流行っていた時期のどこかの記事で、「薄さを実現させるためには、『これ以上薄く出来ない部品』をまず置いて、その厚さを超えないように部品を配置していく」ということを知ったのがきっかけです。

ほかの工夫でいうと、普通の財布を見ていて、この財布(一般的な財布を見せて)は革の枚数がやたら多いと思ったんです。これ、数えてみるともっとも多い箇所で、皮が17枚も重なっているんですよ。これじゃ厚くなるに決まっていますね。

他社さんが「薄い財布」を出していますが、薄くするために何をしているかというと、重なる革を薄くしていたんですよ。しかし、それでは強度も弱くなるし根本的な解決策ではありません。

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ですので、うちは重なる革を薄くするのではなく、「重なる革の枚数を減らす」ということを考えました。どういった構造で薄くなるかというと、最大で重なる枚数は4〜5枚になるように設計しています。もともと、17枚重なっているのが4枚になったので結果的に1/3、1/4くらいになりますよね。


財布にイノベーションを起こす

南:財布ってイノベーションがないんですよね。ITはハードウェア、ソフトウェアの革新がありました。PCも値段は下がって、スペックは上がっている。でも財布は30年以上ずっと同じ形なんですよ。

だから、結局みんな考えていなかっただけで、財布にもイノベーションを起こせる、と思ったんです。10年後の定番を作る、という考えのもとでロジカルに商品開発を行ってきました。

イケダ:すばらしいお話です。確かに、財布はイノベーションの余地がありまくる気がしてきました。まだまだありますよね、イノベーション。

南:薄い財布に戻ると裏話はいっぱいあって…たとえば、一般的なカードケースってこうなっていますが(下記写真参考)果たして意味があるのか、と考えました。皮が重なる分、厚みが増えてしまうじゃないですか。

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そこで、段差をなくして一カ所に収納するとどうか。しかしこれだと、2枚目以降のカードが取り出しにくいんですねではどうしたらいいのか。そこでカードケースに穴をあけて、押してスライドさせたりすることで取りやすくしました。

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イケダ:うお、すごい!確かにこれなら一カ所にまとめても取り出せますね。

南:財布を閉じたままでも出せるようになっています。収納枚数に関しては削りに削って5枚。普通の人はいらないカードをいっぱい持っていますよね。色々企業がカードを別々の企画で提案して受け入れていったらカードが膨大になっていくじゃないですか。そういったものを全部ではなく、忘れた時に「ごめんなさい」できないものを選んでいきましょう、という使い方の提案も含めています。

年がら年中美容院のカード、病院の診察券を入れる必要はないじゃないですか。使う時だけ持っていけばいいし、もしも忘れても、別に怒られないわけです。ポイントなんかも後日で合算してくれたりしますし。

そういったことを考えていくと、普通に5枚で十分なんです。クレカ、キャッシュカード、免許証、保険証、ビデオ屋のカード…ビデオ屋のカードって「忘れちゃった」が通じないんですよね(笑)自分の持つ物を選びましょう、もう少し考えましょう、という提案なんです。


イケダ:面白すぎます!小銭入れが普通じゃないですが、これもお話聞かせてください。

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南:はい、小銭入れにしても普通の財布って、大きい割に、だいたい、底にたまってちゃってるんですよ。上の部分は空気が入っているだけで意味がありません。

私たちはこの大きさに慣れているけれど、果たして、最適な大きさはどれくらいかと試したんですよ。で、たどり着いたのがこの大きさです。

財布に入れる硬貨というのは、15枚が最適なんです。500円1枚、100円4枚、50円1枚、10円4枚、5円1枚、1円4枚で合計999円の15枚。これがマックスじゃないですか。あふれると思われがちですが、これで1ヶ月検証してみたら、あふれなかったんですよ。しかも底が浅いのでどの硬貨が入っているかが見やすい。

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実は、5年間で2回だけあふれたんです。タクシーのおつりで「千円札がなくて…」と500円を大量にもらってしまったとき、それと自販機で小さい硬貨がたくさんおつりで出てきてしまったときです。エマージェンシーのときのために大きな小銭入れを持つ必要があるのかというと、そうではないと考えています。


「パンツと靴下をポケットに入れて出張にいきます」

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イケダ:持たないことに対する意志というか哲学というか、熱いものを感じます。

南:普段からカバンは持たないんです。社員でも、私がカバンを持っている姿を見たことがないと思います。一泊の出張だと、パンツと靴下ポケットに入れて出張にいくんですよ。

イケダ:すごい!おかしいですよそれは!(笑)

南:(笑) 打ち合わせにいくときも、モノを持っていかないんですよ。打ち合わせとかで書類を貰うじゃないですか。もらったらすぐにコンビニで事務所に送るようにしています。もう、そのくらい持つのが嫌いで。

日頃から、持つのは財布とiPhoneと家の鍵だけです。薄い財布には隠しポケットがあって、札入れの裏に鍵が入るようになっています。

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極論、財布はいらない

イケダ:なんかもう、そもそも財布っていらなくないですか?今は電子マネーもありますし。

南:そうですね、まさに、正直いらないですよ。財布も10年後は価値観が変わっていると思っています。ポイントカードはスマートフォンなんかに統合されていくと思うし、小銭を使うことはどんどん減っていくと思います。

イケダ:財布を売っている会社が「財布は要らない」というのは刺激的です。常に疑問を持っているということですね。

南:多くの人たちは「何のために持つのか」ということを、あんまり考えていないんじゃないかと思うんですよね。土地にしろモノにしろ、極端な話、「地球からの借り物」じゃないですか。借りれるなら借りれるものでいいんですよね。

うちのオフィスの家具とかもだいたい2択なんです。ひとつは捨てる前提のものか、リセール価格が高いもの。うちの社員は全員、アーロンチェアを使っていて、「良い椅子使っていますね」とよく言われますが、アーロンはリセールバリューが高いんですよね。売る時に、2割減くらいで売れるんですよ。捨てるのもったいないので。


欲しいものをつくる:「abrAsus」のモノ作り哲学

イケダ:お話を伺っていて、モノ作りの哲学がビシビシ伝わってきます。

南:批判するわけではないですが、普通のメーカーは卸を中心にビジネスをしています。そうすると、基本的にはどこかの店舗に並べないといけない。デパートの棚を確保して商品を置く。そのためにはマスマーケット向けに市場であるとか、色とかターゲット、価格、コストが決まってしまいます。

普通にモノ作りをしていると、消費者になるべく合わせる方向になってしまいます。そういったことが悪いというわけではなく、それは色々な会社がやっているレッドオーシャンであって、ぼくたちの役割ではないと思っています。

ですので、まずは「自分たちが欲しいか」を考え、いわゆる「ロングテール」の商品をつくっているつもりです。10人のうち1人が「こんなの欲しかった!」という人がいたら、1億人いたらある程度のマーケットになりますよね。

ぼくたちは「商品を売るためにプロダクトをつくる」という考え方をしていなくて、常に「自分がほしいかどうか」という基準で考えています。素材をレザーにするか布にするか、どの工場で作るか。そういった様々なジャッジも「どっちがほしいか」で判断しています。

イケダ:「自分たちが欲しいかどうか」ですか。そうなるとコストもバカにはならないのではないでしょうか?

南:コストの面に関しても、うちは、商品をサンプルつくっている段階でコストを計算していません。商品の最終形ができたときにはじめて全体のコストがわかるようなイメージですね。ですから、職人さんにディスカウント交渉もほとんどしません。「これくらいの値段でできたからこれくらいで売る、売れなかったらしょうががない」というスタンスでやっています。

そもそも。10個作ったうちの10個全部が売れるというのは無理な話です。「自分がほしいもの」が市場にフィットするとは限りませんから。そのなかで1個か2個ヒット商品が出てくればよくて、そのうち2〜3個は全く売れなくてもいいと考えています。

そうして健全な売上を確保して、職人さんに還元して…ということを少人数でやっていけば、長くつづくし、結果的にやりたいことを続けられると思ったんですよね。もっとも、現在はそのテスト中です。まだ5年なのでどうなるかわからないですが、今のところはこのやり方でうまくいっています。


マレーシアに家族4人で移住

イケダ:海外にいることが多いと伺ったんですが、普段はどこで生活されているんでか?

南:普段はマレーシアに住んでいて、去年の夏からですかね。家族とともに住んでいます。

イケダ:なんと!海外に住んでいるんですね。しかも去年の夏からって、けっこう最近ですね。

南:会社は東京なので、月に2回は日本に来ています。あとはアジアの色々な国を転々としています。具体的に言えば、10日間は日本で、10日間マレーシア、あとの10日アジアのほかの国、という感じですね。

ヨーロッパとアメリカは昔からそれなりに行っていたので、なんとなく文化や雰囲気をわかっているんですが、アジアは全然知らなかったので、人生に一回くらいアジアに住んでもいいかなと思って移住しました。

イケダ:かなりエクストリームな生活ですね(笑)お子さんはいらっしゃるんですか?

南:幼稚園に通う男の子と女の子の双子の子どもがいます。学校は向こうのインターナショナルに通っていますよ。普段は英語とマンダリンを勉強しています。学校は向こうのインターナショナルに通っていますよ。普段は英語とマンダリンを勉強しています。

イケダ:トリリンガル(三ヶ国語話者)ですか。いやー、すごい…。

南:言語的には三ヶ国ですが、それ以外のベースの教育は日本人として育てています。子育てして5年ですが、子育てできるのは0歳から12歳とよく言いますよね。それ以降は勝手に大人になっていって、大人の相手をしてくれなくなるので、子どもとの時間はとても大切にしています。

イケダ:ぼくも移住を検討していますが、お子さんがいて、よく思い切りましたねぇ。

南:ホントに、これは今だからこそできる生き方・働き方ですよね。商品自体はオンラインを中心に販売しているので、日本でやる必要も薄い、というのは大きいです。Skypeやevernoteみたいなサービスもあるので、日本にいる必要はないんですよね。

イケダ:普段の生活のリズムはどんな感じなのでしょうか?

南:ぼく自身は忙しくないと思っているんですけど、結構スケジュールが多くて、一緒に行動すると周りに「アポが多すぎて忙しい」と言われます(笑)今日は13件アポが入ってます。

イケダ:13件は頭がおかしいです(笑)

南:スケジュールが空いてたら、何をしようかを考えてがっつりと埋めていきます。みんなが一週間でやることを1日でやるような感じですね。たとえば、「来週のスケジュールが空いているから、タイに行こう」と決めて、3日後に行ったり。

これは別の話になってしまいますが、多くの人は考えすぎの部分もあると思うんですよ。なるべくぼくは7割くらいで発車するようにしています。残り3割を一生懸命調べて100%にするという道もありますが、そこそこを100%に持って行くには結構な作業が必要なんです。だったら、40〜70くらいでいっちゃいますね。

本屋に行くけど、本を読んでいるより本を選んでいる時間の方が長い、みたい人もいるじゃないですか(笑)人生は有限なので、リスクマネジメントをしていれば、7割で行ってしまって大丈夫だと思っています。


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少数精鋭でモノ作りをする

イケダ:現在、社員は何名なのでしょうか?

南:正社員が7名、うち役員が2名ですね。の商品にも関わりますが、うちはあえて少数精鋭でやろうとしています。

もともと前職がベンチャーキャピタリストで色々な会社を見ていて、「成長を目指す意味」とは何かをずっと考えていました。普通は「人数を増やして、売上を増やしていって、大きな会社にする」という話になりますが、それはなぜなんだろうと。

「成長をすることの意味はあるのか?」と考えたときに、成長は「手段」にすぎないと思い至りました。そこからあらためて何のために事業をして、何のために働いているかを考えると、あえてなるべく少ない人数でいったほうがいいと思ったんです。

私たちはプロダクトをメインにしているので、自分たちの本当に作りたいものをつくるために少数精鋭でいく必要があったんですよね。できるだけ固定費を少なくして、変動費にもっていって、やりたいことをやっていく、ということです。

毎月の販管費が増えていけば、売上を増やすために利益目的の仕事をしてしまいかねません。うちの商品は一般的なブランドと違って「できたとき」が発売日です。決まった発売日に合わせてモノ作りをしているわけではありまえん。

イケダ:組織という点においても、「持たない」というのを徹底しているんですね。

南:断捨離ブームが始まる前から断捨離していました(笑)これは全然違うエピソードですが、家族4人でマレーシアに引っ越したときにも、荷持がスーツケース4つと、段ボール2個だけだったんです。

イケダ:信じられない(笑)ホントに少ないですね。

南:捨てる前提、リセール前提で生きているので(笑)こうすることで常にどこでも行けるようになります。

本とかはデータ化しているので、唯一持っていった家電製品はスキャンスナップと断裁機ですね。移動がラクになるように、自分の家は買いません。

イケダ:徹底的です。でも、合理的ですよね。

南:こういう生き方だと、家族のライフステージが変わっていっても、生活をそれに合わせることができます。

イケダ:まったく同感です。子育て始まるから大きな家を買って、子どもが巣立ったらがらんどうの家が残る…とか無駄ですよね。会社作りで気をつけていることはなにかありますか?

南:うちの会社は、机の上にモノを置いて帰ったらダメなんです。社員のプライベートスペースも、小さな箱しか与えていません(笑)

当たり前の話ですが、10年以上経つと大半の会社が潰れていくんですよね。これはベンチャーキャピタリストをやっていたときに強く感じました。

ですので、ぼくは社員にずっと「今は業績がいいけど、これはバブルだから」と言っているんです。今後、会社の売上が半分になる可能性なんてものは、ごく普通にあると思っているんです。

イケダ:業績が悪くなったときのことも、しっかりと考えて設計しているんですね。

南:はい、業績が悪い時も生き残っていけるような組織作りをしています。

受ければ確実に利益が上がるような話があっても、場合によっては、お断りをしています。正直「もったいないなぁ」と思うこともあるんですが、それをやりつづけることは、ほかの会社との差別化にも繋がるんですよね。

「人が足りないから人を増やそう」という考え方ではなくて、「人が足りなくて回らない、さぁどうする」という考え方をしています。もちろん人を増やす判断を下すことはありますが、よくよく考えてから採用しています。だから私たちは、一年に1名程度しか雇わないですね。


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ボトムラインを見れば、幸せが見つかる

イケダ:ぼくの最近のマイブームは、死生観について伺うことなんです。南さんはどんな死生観をお持ちなのでしょうか。

南:自分の子どもが生まれるまでは、死ぬことは怖くなかったんです。けれど、子どもが生まれた途端に怖くなったんですよね。

もともと生に対する執着はあまりなくて、今を生きようという性格です。人間は本当にいつ死ぬかわかりません。そもそも、江戸時代なんて平均年齢が40歳だったわけですしね。

自分のやりたいこと、後悔しないことにどれだけ注力して過ごせるかが大切なので、それを毎日今すぐ、やっている感じだったんです。ケーキがあったら真っ先に食べちゃうみたいな(笑)いつ死んでも後悔はない、という感じで生きていました。

イケダ:でも、子どもができて変わったと。

南:もちろん一概にはいえないんですが、やはり、子どもは親がいた方が、子どもに対して教えられることも増えて、子どもも職業の選択が広がったり、価値観が広がったり、色々なことを考えられるようになるじゃないですか。

子どもたちに対して幸せになってもらいたい。そのためには死んだらまずいじゃないですか。だから、最近は電車が突っ込んできたりしたらいやだなあと思うようになりました。

イケダ:とても興味深いですし、うちも子どもが生まれたばかりなのでよくわかります。不安や幸福についても教えてください。

南:まず根本にあるのは、将来に対する不安はみんなもっていて、そのためにお金を貯めたりしますよね。

私は頻繁にアジアの国々に行きますが、正直、日本人は日本に生まれた時点で勝ち組だとも思うんですよ、ある意味。実際、世界的に見ても、トップ5%くらいのアドバンテージなわけじゃないですか。日本で死ぬことは難しいですよね。生活保護もちゃんと申請すれば出るし、職業も選ばなければ比較的ある方ですし。

日本はそういう国ですから、なるべくボトムラインを見るようにして、「まぁこの国なら何があっても大丈夫だろう」と思うようにしています。社員とその家族に対する責任はありますが、個人レベルで見ると、本当にどこでも、どうとでも生きていけますしね。

イケダ:ぼくは「年収150万円でぼくらは自由に生きていく」というどうしようもないタイトルの本を出しているので、とても共感します。

南:アジアの国々は、平均月収で2万円くらいだったりするんですよ。カフェとかいってジュース飲んだら40円。でも、ビッグマックは400円なんです。それでいて、マクドナルドは時給が90円くらい。

イケダ:5時間働いてビッグマック一個分…。

南:日本とだいぶ違いますよね。特にインドネシアから来ている人たちの中には、戦後の日本のような生活をしていたりしている人もいます。そうした国を出て日本に戻ってくると、空港を下りた瞬間、トイレがきれいでビックリします。日本にいたときには気付かなかったことです。

向こうはタクシーなんかも、汚いんですよ。虫とかいて、乗車するとかゆくなったりするくらいです。でも日本のタクシーは、ものすごくきれいで、椅子が白い布張を張っていたりしますよね。これもやっぱり、昔から張ってあっんだろうけど、向こうで暮らしてあらためて気付きました。

結局、ものは考えようで、自分がどう行動してどう感じるか。これが大事だと思いますね。


洗練された「abrAsus」のプロダクトを手にしよう

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いやはや、本当にすばらしいインタビューとなりました。あとで「abrAsusってどういう由来なんですか?」と聞いたら、「油を注して円滑にする」という意味に加えて、ラテン語で「削り取る」という意味が掛かっているそうで。良いネーミングですね!


薄い財布」をはじめ、「スマートなメモ帳」「薄い名刺入れ」「旅行財布」「薄いカードケース」などなどの製品を展開しています。自分用はもちろん、プレゼントにもおすすめです。ぼくもインタビュー後、1週間使ってますが、これは本気で!おすすめできます。すっかり生活にとけ込みました。半月使ったらまたレビューを書こうと思います。

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南さんのプロフィールはこちら。

米国カレッジにて、映画学と経済学を学ぶ。在学中に独学でウェブデザインやプログラムを学び、ウェブサイトの構築を始める。

卒業後、米大手金融グループのロサンゼルス支店にてプラクティカルトレーニングとして、ファイナンシャルプランニング、投資信託、保険商品等の営業に従事。

帰国後、総合商社にて社長室の室長として、経営企画や営業戦略立案等を担う。

後、アパレルや飲食等のビジネスを展開する事業会社に入社。 営業企画部の部長として、飲食ビジネスの営業企画・戦略立案等に従事。 また、海外開発室の室長として、フランスのアパレルセレクトショップや飲食ビジネスの日本での立ち上げに携わる。

後、ウェブ企画・制作会社にて、プロデューサーチームのマネージャーとしてウェブサイトの企画・制作やシステム開発等に従事。

後、ベンチャーキャピタルにてキャピタリストとして投資活動、デューデリジェンス、ファンドレイズ、投資先企業のバリューアップを目的としたモニタリングやコンサルティングに従事。 17社のベンチャー企業を担当。

ベンチャーキャピタルを退職後、バリューイノベーション株式会社を設立。

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