財務省が10日発表した1月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は1兆5890億円の赤字だった。赤字額は前年同月の4.6倍に膨らんだ。単月ベースでは、現行基準で比較可能な1985年以降で過去最大となる。円安を背景に輸入が大幅に増えた。経常赤字は4カ月連続。
貿易・サービス収支は2兆8128億円の赤字。赤字は22カ月連続で、赤字幅は前年同月比71%拡大した。うち貿易収支は2兆3454億円の赤字。輸出が自動車や有機化合物を中心に増えたが正月休暇もあって全体に伸び悩んだ。一方、輸入は原油や液化天然ガス(LNG)を中心に伸びた。その結果、貿易赤字額は前年比で79%増えた。
1月分の統計から、所得収支を「第一次所得収支」、経常移転収支を「第二次所得収支」にそれぞれ名称変更するなど基準を一部変更した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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