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9月

2013

疑惑:投資詐欺を勧誘した銀行員 2013年9月24日号

 ◇高齢女性を陥れた巧妙な手口

 

沢嶋翔一(ジャーナリスト)/編集部

 

 銀行は社会的信用が高く安心できる存在だ。そう信じているからこそ顧客はお金を預け、個人情報も提供している。ところが、銀行員としての信用を利用して顧客を投資詐欺へと勧誘し、総額4億円を失わせた若手行員たちがいた。

 9月某日。被害に遭った女性に会った。都内在住で現在79歳。記憶が曖昧な部分もあるが、しっかりとした口調だ。その証言と預金通帳の記録から事件の概要を見ていこう。

 2010年、女性は三菱東京UFJ銀行浜松町支店(現在は新橋支店に統合)を訪れた。5年前に夫を亡くし多額の遺産を相続、それを安全運用するための相談に行ったのである。三菱東京UFJとの取引はそれまでなかったが「日本一の銀行なら大丈夫」と考え、同行を選んだ。この相談をきっかけに担当になったのが行員Y(当時30歳)だった。………