花粉症に効くのは市販薬か?通院か?
@DIME 3月9日(日)11時23分配信
長年花粉に悩まされている読者も多いだろうが、それに対抗する医薬品も年々進化を遂げている。最新の花粉症医療について、日本医科大学付属病院の大久保先生に教えていただいた。2011年2月の厚生労働省の調査によると、花粉症患者は国民の約20%。目や鼻、喉のかゆみや鼻炎、だるさなどに悩まされ、日常生活に支障をきたす人も多い。そんな花粉シーズンを快適に過ごすためにも、「自分が何のアレルギーなのか、正しく把握しておく必要がある」と日本医科大学付属病院の大久保公裕先生。
「スギだと思っていたら、イネ科やブタクサ、ハウスダストだった人も。スギは100〜500kmくらい飛散するので本州にいる限りは避けられませんが、イネ科やブタクサなどは100mくらい。近くに行かなければ症状は出ません。正しく対応するためにも、アレルギー検査をおすすめします」
そのうえで自分の症状に合わせて市販薬でセルフメディケーション。早めの服用が良いと言われていた時期もあったが、現在は症状が出てから。もしくは花粉が飛び始める2月中旬くらいからの服用で十分という調査結果が出ている。
「花粉症患者の3分の2くらいが日常生活に支障をきたすレベル。快適に過ごすために市販薬であまり効果がない場合は早めに受診してください」
■市販薬でOK?通院すべき?
医師の処方薬として使用され、安全性と効果が認められた薬が、どんどん市販薬として登場している。医療薬から市販薬にスイッチされ、街の薬局のカウンター越しに売られることから、このような薬はスイッチOTC(Over The Counter)薬と呼ばれている。とくに『アレジオン』『アレグラ』が話題になっている。
<近年登場したOTC医療薬>
アレグラ(フェキソフェナジン塩酸塩)
アレジオン(エピナスチン塩酸塩)
アレギサール(ペミロラストカリウム)
ザジテン(ケトチフェンフマル酸塩)
アゼプチン(アゼラスチン塩酸塩)
※カッコ内は一般名。
■補いきれない症状はオーダーメイドの処方薬で
スイッチOTC薬の充実で、軽い花粉症の対策はセルフメディケーションで補えるようになってきた。忙しいビジネスマンなら、まずは市販薬で様子をみるのがよい。だが、花粉症の症状は様々なので、抑えられない時は早めに診察を受け、自分の症状に合わせて処方された薬で対応したい。
■こんな人は通院を
1.初めて花粉症にかかった人
まずは本当に花粉症なのか、何に反応しているのかを調べることが先決。一度医者にかかり、アレルギー検査などを行なって確認したほうがよい。
2.2週間程度、市販薬を服用しても効果がない人
1〜2週間薬を飲んでも効果がない場合は、その薬が自分に合わないということ。ツライ症状を緩和するためにも、自分に合う薬を処方してもらおう。
3.花粉症の症状が重い人
市販薬はあくまでも症状が軽い人用。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど、複合的な症状がある重度の人は、処方薬でないと効果が出にくい。
■薬選びのポイントは
より副作用の少ない薬が続々眠くなりにくい薬の種類が拡大している。花粉が体内に入るとヒスタミンを放出し、アレルギー症状のくしゃみや鼻水などで花粉を排出しようとする。そのヒスタミンの働きを抑制するのが抗ヒスタミン薬。この薬には第1世代と第2世代があり、第2世代の薬は眠気や喉の渇きなどの副作用が少なくなっている。最近、登場した薬はたいていが第2世代。今では花粉症の薬は眠くなりにくいのが一般的だ。
■体質から改善する根本的な治療「免疫療法」がもっと手軽になる
スギ花粉は本来、毒ではないのに、身体がアレルギー反応を起こしてしまうのが花粉症の原因。そこでスギ成分を少しずつ体内に入れ、身体を慣れさせていく治療が「免疫療法」。スギ成分を注射する療法は保険も適応され、一部のアレルギー科のある医療機関で受診できる。
■秋から始まる!? 舌下の免疫療法
舌下にスギ成分を含み、首付近のリンパ節によって体内に送るという舌下の免疫療法の効果が臨床試験で認められた。現在、実用化に向けて準備が進められている。だが、舌下免疫療法は保険適応外で、年間7万円程度かかる。適用は早ければ2015年の見込みだ。
DIME編集部
最終更新:3月9日(日)11時23分
記事提供社からのご案内(外部サイト)
最得クレジットカードはコレだ! |
読み込み中…