京都大学の杉山弘教授らは、細胞の中で通常は眠っている遺伝子を強制的に働かせる化合物を開発した。iPS細胞と性質がよく似た細胞も作り出せた。iPS細胞の新しい作製方法や糖尿病などの治療薬開発に役立つ。研究成果は英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に24日掲載された。
ヒトは約2万種の遺伝子を持つ。2万種の遺伝子が必要に応じて働き、生命機能を維持しているが、必要のない遺伝子は酵素で働かないよう抑えられている。
杉山教授らはこの酵素を阻害する化合物に注目。皮膚の細胞に化合物を入れたところ、数百種類の遺伝子が強制的に働いた。さらに化合物の種類を変えたところ、糖尿病や生殖機能、iPS細胞でよく働く遺伝子が機能するようになった。iPS細胞と性質が似た細胞も得られ、今後iPS細胞かどうか確認するという。
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