<ロシア>プーチン氏支持率上昇67.8% クリミア制圧で
毎日新聞 3月9日(日)21時32分配信
【モスクワ田中洋之】ウクライナ政変に介入し、南部クリミア半島を事実上制圧したロシアのプーチン大統領が国内での支持率を上昇させている。クリミアやウクライナ東部のロシア系住民保護を打ち出し、国民に「強い指導者」をアピールしたためだ。クリミアで16日に行われるロシア連邦編入の是非を問う住民投票の結果に対し、大統領が世論の強い支持を背景にどのような政治的決断を下すのか注目される。
【プーチン氏の支持率の推移をグラフでみる】
全ロシア世論調査センターが今月1〜2日に実施した調査によると、プーチン大統領の支持率は67.8%で、2012年5月に3期目の大統領に就任後、最高水準に達した。長期政権への飽きなどから支持率は昨年後半から今年初めまで60%台前半で推移していたが、ソチ冬季五輪とウクライナ情勢で国民の愛国主義が高まり、一気に上昇した。ロシア全土で開かれているウクライナのロシア系住民支援集会も、「プーチン大統領とともに」「大統領を信じよう」というスローガンがあふれている。
ペスコフ大統領報道官は7日、国営テレビとのインタビューで「国家の指導者が乱気流のような状況下で支持率を上げるのは類のない現象だ。ロシア指導部の行動を好まない紋切り型の批判はあるが、多くの国民がプーチン大統領を支持している」と述べた。
クリミアの住民投票では、住民の6割がロシア系でウクライナ新政権への反発が強いこともあり、ロシア編入が支持されるのは確実視されている。受け入れ側のロシアでは上下両院でクリミアを編入するための法整備が進められており、クリミア自治共和国議会のコンスタンチノフ議長は8日、3月末までに編入手続きが完了することに期待感を示した。
プーチン大統領は4日の会見で、クリミア編入は「考えていない」としながらも、「クリミアの将来は住民自身が決定できる」と述べており、住民投票の結果を尊重するとの見方が有力だ。ただ、実際にクリミア編入に踏み切れば、ウクライナ新政権や欧米との対立は危機的状況となる。
08年のグルジア紛争では、当時のメドベージェフ大統領はグルジアからの独立を主張していた南オセチアとアブハジアを国家承認したが、ロシア連邦への編入は行われていない。「クリミア編入を決断できるのはプーチン大統領だけ」(政治評論家のマカレンコ氏)なのが実情だ。
最終更新:3月10日(月)0時13分
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