フィギュアスケート・羽生結弦、今どきの高校生らしからぬ素顔とは?

2012年12月8日 11時00分 (2012年12月27日 20時01分 更新)
フィギュアスケートのNHK杯(11月23日から25日)でGP(グランプリ)シリーズ2勝目を挙げた羽生結弦(はにゅうゆづる)が、最終日のエキシビションの演技前に明かしたのは、ケータイ電話を持っていないという今どきの高校生らしからぬ一面だった。

「持ちたいとは言ったけど、今はスケートに集中するときだからという両親の方針というか……。自分は流されやすいタイプだし、昔から『スケートに集中しろ』と言われていたから、僕もそのほうがいいかなと思ったんです」

東北高校(宮城県)に在学中の高校3年生。友人への連絡が不便ではないかという質問にも、「友達がいないというわけじゃないですが、スケートをやっていると連絡する用事もそんなにないから」と言って笑わせた。

羽生は中学1年で格上の全日本ジュニアで3位になり、翌シーズンからは全日本ジュニアを連覇、2009~10年シーズンはジュニアGPファイナルを史上最年少で制して世界ジュニアも優勝。シニア初シーズンの11年は四大陸選手権2位で男子の史上最年少メダリストになった。中性的な容姿としなやかな表現力ばかり注目されるが、「どうせなら髙橋(大輔)選手や小塚(崇彦)選手が絶頂期のうちに倒したい」と口にする熱い一面も持つスケーターだ。

そんな羽生がもう一段成長したのは昨季だった。東日本大震災で拠点の仙台のスケートリンクが営業を停止したため、神奈川県を仮の拠点にしてアイスショー出演を練習代わりにした。その逆境を逆手に取り、「観客がいるところで4回転ジャンプを跳んでいる数は、僕が一番だと思う」と自信をつけた。“きれいに降りる”4回転ジャンプを武器に、3月の世界選手権ではSP(ショートプログラム)7位発進と出遅れるも、フリーで挽回して銅メダルを獲得した。

「震災後、テレビなどで多くのスポーツ選手が『勇気を与えたい』とメッセージを発信するのを見て、自分もそういう立場にならなければいけないと感じました。仙台の街を歩いていると、『頑張ってください』と声をかけてくれる人もいて、自分はそういう人たちにも支えられているんだから、恩返しをするためにも結果を出さなければいけないと思ったんです」

そう話す羽生は、世界選手権のメダルにも満足しなかった。2014年のソチ五輪をにらめば、日本のフィギュア男子は世界一競争が厳しい。それを勝ち抜いて五輪の舞台へ立つためにとカナダに新天地を求め、キム・ヨナ(韓国)を指導したブライアン・オーサーに師事している。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

関連するエキサイトニュースの記事

 男子スーパー大回転座位 銀メダルを獲得した森井大輝=ソチ(共同)

狩野が2冠、森井は2位 長野以来の金、銀

注目の商品

携帯電話でニュースをチェック!
携帯ポータルサイト「エキサイトモバイル」