悩みは特にありません。

くだらないことしか書かない自信はあります。

勧誘vs勧誘。

小説の神様って一般的には志賀直哉のことを指すと思うんですがわたしの中では筒井康隆のことで、ファンなのかといえば別にそういう訳ではなく、好きとか憧れとかとは別次元という感覚だから、やっぱり神様的な存在、なのです。

創作の極意と掟

創作の極意と掟

そんな人が小説について書いた『創作の極意と掟』、もうこれ読まずにいられますかってなもんで『群像』で連載してる時からむさぼるように読んでたんですが、群像ってかさばるからそこの頁だけ切り取ってホチキス止めして持ち歩いてて、でも改めてよく見ると相当みすぼらしい感じで、単行本を得た今では「よくこんなの電車の中で読めたなー」と思ったりしてます。

神様といえば半年に一度のペースで宗教の勧誘をしてくる同級生がいて、神を信じるものだけがナントカの王国に行けるみたいな素敵な物語を毎回電話口で繰り広げてくるのです。
聞いてるうちにわたしもちょっとやってみたくなったので「うん、うん、あんたの神さんの素晴らしさはわかった。じゃあ次はわたしの信仰する神さんの話を聞いてくれる? あのね、クマ神っていうの。え、もちろんあのクマよ。川で鮭獲るクマよ」って思いつきで喋りはじめたら楽しくなってきてしまって、こうなったらもうわたしは止まらない。止められないっていうか止める気がない。
「あのねクマ神はね、毛がフカフカで暖かいと。瞳はつぶらでね。肉球がすごいとよ。プニップニしとるっちゃん。プニプニやないと。そげなもんじゃなか。プニップニ。わかる?」って、このへんから完全にお国訛りが全開になって。
「は? お布施? いらんとよ。もうねー、時々ふかし芋をお供えするぐらいでよかと。クマ神はそんなに多くを求めんと。でもね、助けてもくれん。ピンチの時もじーっと見とるだけ。見とるだけっつってもそこはほらあんた、瞳がつぶらやけん。見られたほうはドキがムネムネたいね。イヤーそげな可愛いらしか目で見られたらあたしゃハッスルするしかなかー! て大いに発奮するちゅう仕組みよ。どうクマ神教? あんたも入会せん? いやいや。いやいや、入会金とかはいらんとよ? たまに東の空に向かって踊ればいいだけ。創作ダンスよ、創作ダンス。中学の時体育の授業でしたやろうが? は? 覚えてない? マジで? マジンガー? 班分けして発表会までやらされたのに? ほら、わたしらの班は『台風の日のゴミ』っていう斬新過ぎるテーマで作ったダンスを披露したやん。そんでから先生に『あなた方は創作ダンスのなんたるかを全く理解していないっ』て怒られたのに? ちょっとー」って言った直後に「もうよかッ!」て怒られてガチャ切りされました。勧誘に勧誘で返したのに怒られたし、今これを書きながらわたしに友達が少ない理由が痛いほどわかりましたし、涙が出てきたからもうこれでおしまいにします!