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楽天は物流投資に消極的になったのか、拠点“半減”が意味するもの

2014/03/10
川又 英紀=日経コンピュータ (筆者執筆記事一覧
図●当初予定していた楽天フルフィルメントセンター(RFC)の拡大
(出典:楽天、2013年度第3四半期決算説明資料)
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 まずは右のをご覧いただきたい。これは楽天が2013年11月7日に開催した、2013年度第3四半期の決算説明資料の一部である。同社の物流センターである「楽天フルフィルメントセンター(RFC)」の拡大と題し、2013年10月に千葉県でRFC柏が稼働したことを紹介している。

 さらにこの図には、東北、中京、九州でもRFCを建設中であることが示されている。楽天は2013年まで、既存の千葉・市川(I、II)と2014年春に稼働を予定する市川(III)、さらに2014年2月下旬に稼働したばかりの兵庫・川西に加え、先述の柏と東北、中京、九州の4カ所を追加した物流「5地域・8拠点」体制を高らかに掲げていた。

 在庫を全国に分散配置することで「当日配送」や「翌日配送」といったスピード配送に対応していくことが大きな狙いである。また、世の中の旺盛な物流需要を先行投資で取り込もうともした。

写真1●楽天の新しいRFCである市川(III)が入居する物流施設
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 ところがである。そのわずか3カ月後の2014年2月14日、2013年度通期の決算説明会の席で、楽天は10月に稼働したばかりのRFC柏の契約を2014年2月で解除すると発表。首都圏の物流は、市川の3カ所に柏を加えた4拠点で担う計画だったのを撤回し、市川の3カ所に集約することを決めた(写真1)。

 そればかりか、東北と中京、九州でのRFCの建設計画は白紙に戻した模様で、当面は市川(関東)と川西(関西)の東西2カ所に注力するという。センター配置を2013年の計画から大幅に修正するのである。これはいったい、何を意味するのだろうか。

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