作製法公開の後に、
産経新聞、小保方晴子リーダーがSTAP細胞の再現実験に成功と報じるが来て、さらにシッチャカメッチャカになっていますが、何かマスコミや一般人的には捏造不正疑惑まで解決しちゃった雰囲気です。ちょろいな。
STAP細胞の作製法公開 理化学研究所「外部でも再現を」 (共同通信)2014/03/06 12:16
理化学研究所は5日、新たな万能細胞「STAP細胞」の詳細な作製法を同研究所のホームページで公開した。研究者の間で、論文を基にSTAP細胞を独自に作ろうとしても、同じ結果を再現できないとの声が高まっていることに応えた。
理研は「スペースの都合上、論文に詳細を記述するには限界がある。作製法を公開することで外部の研究者にできるだけ早く再現してもらい、さらなる研究の発展につなげたい」と話している。(中略)
重要な点として、生後1週間を過ぎたマウスの体細胞では作製効率が大幅に落ちることや、細胞を浸す溶液の酸性の度合いが変化しやすいことなどを挙げた。雄マウスの体細胞の方が、雌よりも効率がいいという。
http://www.47news.jp/47topics/e/251010.php
科学論文で第三者の再現性は必須なのですが、「作製方法を聞くなんてズルい」「教えなくていいじゃん」という声が出ていました。そうなると、作製方法を公開した時点で疑惑払拭、他の問題は全部飛んでっちゃったってことでしょうか?
ただ、この作製法公開や産経新聞が報じた小保方晴子ユニットリーダー本人が再現したということと、論文におかしな点があることは異なる話です。上の記事内でも一応こう書いています。
一方で、論文の画像や記述に不自然な点があるとの指摘については「所内外の有識者で調査している。結果が出た時点で速やかに公表する」とした。
なお、作製方法に関しては毎日新聞も、本来公開しなくていいものだという報道をしていました。
STAP細胞:作製手順公表 研究成果の証明 毎日新聞 2014年03月05日 21時01分(最終更新 03月06日 09時08分)
画期的な技術の場合、早々に詳細を公開すれば、激しい研究競争で先行者としての利点を失うきっかけになりかねない。理研がその点も踏まえ、論文発表直後に詳細なノウハウを公表したのは、成果への強い自信を示すとともに、外部の再現実験を促し、「論文の結論は揺るがない」という認識を広めて事態の沈静化を図ろうという意図がうかがえる。【八田浩輔】
http://mainichi.jp/select/news/20140306k0000m040083000c.html
でも、この記事は直前に
"科学の世界では、新たに登場した成果は、広く再現されることによって評価が固まる。山中伸弥・京都大教授が作製したiPS細胞(人工多能性幹細胞)も、世界中で再現され、研究が広がった"
って書いているんですよね。
毎日新聞は科学的な報道においては、国内紙で一番まともに見えるので悪く言いたくないんですが、この記事が最初に時点のタイトルがひどかったです。おそらく外部から批判があったのか、内部で科学部から見出しをつけた編集部に抗議があって変更したのだろうと思うのですが、最初のタイトルは以下でした。
"STAP細胞:作製手順公表は「簡単さ」の証明になる"
ん~、どうしてこういうタイトルになったのか?
手順に関しては、"今後さらに詳細な解説も公表していく"とも書いていました。「詳細な作製法が公開された」と報道されているのですが、これは作製法された手順がまだ十分ではないことを理研自ら認めている形です。
この作製法は早速ツッコまくっているので、あらかじめ言い訳しているというのが一つでしょうか? あと、時間稼ぎして、問題を引き延ばす作戦じゃないかとも捉えることが可能です。
それから、識者の声を入れていたのが日経新聞の報道です。でも、公開処刑状態になっていました。
理研、STAP細胞の作製法公開 論文への批判受け :日本経済新聞 2014/3/5 20:37
作製法の公開について、慶応義塾大学の須田年生教授は「ずっと情報が多くなった」と評価する。一方、横浜市立大学の武部貴則准教授は「多くの研究者が抱いていた当初の印象に比べて難しいとわかった。万能細胞の専門家を除くと、作製できる人は少ないのではないか」とみる。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG0501R_V00C14A3EA2000/?dg=1
「作製法の公開で疑惑払拭」という一般人の反応とは異なり、2ちゃんねるの生物板の反応を見ると、「これもずさん」「ネイチャー論文と矛盾してない?」「無理ありすぎだろ…」という感じでした。こっちが正しいとすれば、コメントを寄せた専門家は赤っ恥です。
ただ、日経新聞は専門外の人に聞いてるんじゃない?というフォロー(?)もありました。また、発言のうち一部を切り出しただけなので、記者の理解が悪い可能性もあります。
論文と作製方法の矛盾点についてはとても気になるのですが、まだまとまって書いているところがありません。昨日今日のまだ出てきたばかりの話ですし、もうちょっと多くの人の議論を経てから判断した方が良いと思います。
本来でしたらマスコミが専門家にここらへんの話をツッコんで聞いてみるといいんでしょうけどね。マスコミは科学的な話が苦手ですし、専門家は業界で干されたり、一般人から誹謗中傷を受けたりという危険性がありでなかなかコメントできない…ということで、あまり望めない感じです。
追加
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