反原発:大規模なデモ、国会周辺で 坂本龍一さんも参加
毎日新聞 2014年03月09日 20時40分(最終更新 03月09日 21時44分)
福島を忘れるな、再稼働を許すな−−。東京電力福島第1原発事故から3年を迎えるのを前に、国会議事堂周辺で9日、大規模な反原発デモがあり、大勢の市民が原発事故を風化させまいと声を張り上げた。
東京都千代田区の日比谷公園の野音で開かれた集会で、首都圏反原発連合(反原連)のミサオ・レッドウルフさんは「事故から3年、福島の状況は変わらないどころか後退している。さらに大きな声を上げ、原発ゼロを実現したい」、音楽家の坂本龍一さんも「声を上げにくい人に寄り添い、その声に応えよう」と呼びかけた。
参加者は「原発なくせ」「輸出をやめろ」と訴えながら首相官邸や国会周辺をデモ行進し、その後議事堂を取り囲んだ。肺病で鼻に酸素チューブを通し、ボンベを引きながら歩く東京都調布市の伊藤忠男さん(75)は「体はつらいが、反対の意思を表明したい」。相模原市の会社経営、大賀祥三郎さん(58)は「事故の原因究明も終わっていないのに再稼働はありえない。事故も被災者も無視されている」と訴えた。
デモの参加者は、反原連などの主催者発表で延べ約3万2000人。11日前後に全国175カ所以上で原発抗議行動が行われるという。【町田結子】