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2014-03-09 16:00:00

STAP細胞についての雑感

テーマ:STAP細胞
STAP細胞に関する最近のメディア、一部ネットの動きについてちょっと苦言を。。

特にマスメディアの皆さん、異常に小保方さんのことをもてはやして科学的に関係のないことまで調べて祭り上げたのは誰ですか?
反省して欲しいと思います。

少なくとも科学者側の人間であれば、最初から捏造だろみたいな色眼鏡をかけた状態で判断するのはいかがなものかと思います。
論文をちゃんと読まない状態で批判している人が多すぎませんか。
TCR関連で批判している皆さん、STAP細胞とSTAP幹細胞の違いをきちんと理解していますか?、大半の実験がT細胞からではなくCD45陽性細胞から出発していることを承知のうえで批判していますか?
確かにもっと良い示し方はあったでしょう。
しかし、今のところ、論文で示されているデータは起こりうる範囲内のものだと思います。
論文の根本、つまり終末分化細胞を酸処理することでリプログラミングが起き、キメラ形成可能な細胞が取れる、を覆すような事実はないのではないでしょうか。

個人的な意見としては、今は何より再現実験ができるかどうかに注力すべきと思います。
今、嘘だと決めつけて、こういうことで日本勢が何も動かないでいる間に海外勢が一気に抜き去らないか心配しています。
再現性さえとれればメカニズムの解明も進み、STAP細胞自体の増殖や、STAP幹細胞の効率的樹立、成体、ヒトからのSTAP細胞樹立なども進む可能性があります。

ヤニッシュあたりが再現に成功したらそれはもう、あっという間ですよ。。
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コメント

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1 ■本当に京大で学位を取ったのですか?

あなたは本当に京大で学位を取ったのでしょうか。

もしそうだとしたら、同じ京大出身者として、残念です。もう少しきちんと勉強され、論理的な思考を身に
つけられた方が良いと思います。

2 ■日本でSTAP細胞の再現実験をしてくれる人はいないのでしょうか?

分子生物学を勉強し初めたばかりのものです。
Wikipedidaで小保方さんの項目を読みました。
STAP細胞がなかなか再現できないため、ねつ造ではないかと論文掲載の写真や他の論文と似たような説明があるなどと批判しているのではないかと思います。
研究者なら二番煎じはいやかとは思いますが、STAP細胞再現の可否(簡単には再現できないような気がしますが)をしてくれる研究機関が日本にあるとよいと思います。

3 ■コメントレス

少し擁護した途端にリアクションがあって少し驚いていますが。。
このブログはたくさんの患者さんがご覧になっていますので温和にお願いします。

上記の記事では詳しく書いていないので一応解説しておきます。

1週齢のCD45陽性細胞をソートしてきたとして、その中に含まれるrearrangementが起こったT細胞はほんの一部分だけ、大半はB細胞でしょう。
そういう雑多な集団のうち、酸処理後生き残った細胞の数十%がOct3/4-GFP陽性の細胞になるわけです。
つまりこの時点でrearrangementが起こったT細胞由来のSTAP細胞はごく一部だけということが想定されます。
一方、Oct3/4陽性のSTAP細胞のサンプルにおいてTCR rearrangementが見られたことから、少なくとも一部分は確かに終末分化細胞がリプログラミングを受けてOct3/4陽性に変化したことが示唆されます。
批判の対象となっている「STAP幹細胞ではTCR rearrangementが見られなかった」という点につきましては、調べたのが8ラインということですので、上記のようにSTAP細胞そのものがT細胞由来のものがごく一部であることからすると、確率的に言ってT細胞由来のものが含まれないということは全然あり得る話だと思います。
もっと数を増やしていけばT細胞由来のものが取れる可能性もありますし、万一取れなかったとしてもT細胞由来STAP細胞からのSTAP幹細胞への変化は難しいという結論になるだけで、STAP細胞自体がT細胞由来のものが含まれるという結果を覆すものにはならないと思います。
同様に、STAP細胞由来のキメラにおいてTCR rearrangementが見られなかったとしても、インジェクションしたSTAP細胞の一部のみがキメラに寄与するであろうことを考えると、起こりえないことではないことだと思います。
厳密に言うと、終末分化細胞由来のものはキメラにならないという可能性は完全に消えるわけではないのですが、感覚的にもはや屁理屈に近い気もします。
B細胞由来のものが含まれるか調べたり、調べる数を増やせば解決するのではないでしょうか。

4 ■再現できるかどうかに注力すべき?

というか、著者たちが再現できているなら、今さら誰が再現しようが何の問題もないはずなのですが・・・。当初の発表通り、「どんな細胞からでも、様々な刺激でできる」というのが本当ならば、今頃、共著者の笹井、丹羽らのグループでは再現できて当たり前で、分子機構の解析、ヒト細胞での実験にもメドがついているはず。初投稿から何年あったと思っているんですか?内部の方なので、(言えないにしても)当然、状況はご存じでしょう。

5 ■専門外なのでお伺いしたいのですが

以下のような指摘があるのですが、これはどのように理解すれば良いのでしょうか?

---引用始---
論文 (http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/full/nature12968.html) に

"The lack of substantial proliferation argues against the possibility that CD45− cells, contaminating as a very minor population in the FACS-sorted CD45+ cells, quickly grew and formed a substantial Oct4-GFP+ population over the first few days after the low-pH treatment. In addition, genomic rearrangements of Tcrb (T-cell receptor gene) were observed in Oct4-GFP+ cells derived from FACS-purified CD45+ cells and CD90+CD45+ T cells (Fig. 1i, lanes 4, 5, and Extended Data Fig. 2e–g), indicating at least some contribution from lineage-committed T cells. Thus, Oct4-GFP+ cells were generated de novo from low-pH-treated CD45+ haematopoietic cells by reprogramming, rather than by simple selection of stress-enduring cells"

とあるように、著者らは Fig. 1i のレーン 3, 4, 5 と Extended Data Fig. 2g の結果を見て、
『CD45+ 由来の STAP 細胞の遺伝子解析をしたら TCR 再構成の特徴が見られた。
これは T 細胞由来の STAP 細胞が現れているに違いない』
と主張 (かつ Extended Data Fig. 2 で T-cell-derived STAP というラベル付けを) しているのですから、
公開データベース中の CD45+ 由来の STAP 細胞のデータから TCR 再構成の痕跡が見られないとなると
そもそも上記の議論は成り立ちませんし、
上述の図の信憑性が問題になると思います。
---引用終---

6 ■コメントレス

この件については発表されるまでCDBの中でも極一部の人しか知らないトップシークレットでしたので、どういう経緯があったのかは私も知りません。
私にできるのは発表された論文が正しいかどうかデータを見て判断することだけですので、そういう観点から言って今の風潮に苦言を呈しただけです。

ただ、おっしゃる通り、「どんな細胞からでも、様々な刺激でできる」というのは言い過ぎだとは思います。
後で発表されたプロトコールを見る限り、最初の細胞の採取の時点でかなりバイアスがかかっているようですし。
山中先生も仰られておりますが、最初の発表の仕方、メディアの取り上げ方はまずかったと思います。

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