アトピー性皮膚炎の
実際の除去及び実施から導き出される考察
はじめに 1997年頃までは、社会的に除去食療法は受け入れがたい療法であったが、市民権を得たと思われる近年、この疾病が原因と思われる社会的事件が起きている事を憂慮し、自然寛解を待つのではなく、またストレスを主とせず、積極的に皮膚症状を改善する為の方策を導き提案する。
1. この絵本により、この疾病の複雑さを、また本質を経験からのストーリーで簡潔にアピールし、あふれる諸説、情報に影響されない方法をと考えた。「この疾病の本質はイーストコネクションにより消化管粘膜を損傷させる為に食物の透過性が増し食物アレルギーに陥る」(2001アレルギーの臨床21[7])が私経験からは最も近い。つまり言い換えれば症状そのものは経口摂取からの影響を受けた皮膚症状に過ぎない。成長により腸管膜が食べ物に対してある程度消化力が増しても、また投薬を受けても引続き症状を出す場合はタンパク質とは限らない原因を把握出来ずに取り続けているからであろうと推測する。また、肝及び腸内環境を整える食事療法は薬剤摂取と同等の意味を持つ。一定期間、経口摂取に適切な注意を払い続け記録し、そこからヒフに負担になっている原因を見出し、ヒフを修復することにより一般食に段階的に戻す。
2. 食事療法の注意点について
1) 主食などに含まれる毎日同じものを摂取しつづけるタンパク質を中心に低タンパク質食とする。2)日替わりで、又は一食ごとにダシを含む異なるタンパク質摂取となるようにする。3)食材にもともと含まれている油脂以外は一定期間、あえて摂取しない。4)食物に含まれる合成化学物質の添加物をさける。5)煮炊きする水の化学物質を取り除く。6)目安としての食物アレルギー血液検査、その結果を参考に食物日誌の経験を主とする洗い直しと規制内での栄養均整の取れた食事。7)皮膚症状が動かない場合、金属アレルギー検査と白眼の部分の観察、それに対する機能性を期待した食材摂取と排除。
おわりに この疾病を克服するには、複雑な食材の質の選択を克服しなければならないが経口摂取の問題が他の外的要因よりも優先されるべきである。なぜならば食材の質を選択することによりダニ・花粉に対してより強くなれるという事である。したがって環境よりも食材の質の選択が健康を維持する為の順序としては優位である。
除去食にたいして[卵以外に優位さはみられなかった]とする近年の研究結果に対しては異論を唱えるものである。
原因を把握しきれないでの比較・研究結果であろうと推測する。また日本人の腸管を他の先進国の民族よりも最も精密なものと捉えるべきであるかもしれない。
二箇所で発表済みの本文を更新(H.17年11月)