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国際
【再び、拉致を追う 第10部 明日への提言(中)】めぐみさん事件「情報はゴミ箱に捨てられた」
容疑は詐欺だが、本命は最高幹部のスパイ行為。「李恩恵」と呼ばれた田口八重子さん=拉致当時(22)=拉致事件に絡み、「関係する証拠が見つかる可能性もあった」(警視庁OB)。
ところが、捜索は直前になって突然中止。理由は言及されていない。日朝国交正常化に野心的だった金丸信元自民党副総裁率いる訪朝団出発の直前だった。歴史的、地政学的な因縁を引きずる北朝鮮に対し、日本の無防備な時代は長かった。
◆世論と圧力と好機
拉致事件の解決に何が必要なのか。「救う会」の西岡力会長は3つの要件を挙げている。
「まず世論がなければ動かない。そのことはめぐみさん事件で証明された。世論が動いてはじめて拉致問題が国政の最優先課題になった。そして政府に体制ができた。拉致問題対策本部ができたのは18年、第1次安倍政権だった」
2番目は「北朝鮮への圧力と国際連帯」。北朝鮮が交渉に出てこざるをえない状況に追い込む必要があるという。14年の小泉純一郎首相(当時)訪朝は、米ブッシュ政権の「悪の枢軸」発言やイラク戦争開戦前夜の「次は北朝鮮」というムードに対する恐怖が北朝鮮の対日接近を誘った。
そして3番目は「北朝鮮混乱時に拉致被害者を救う方策だ」。張成沢粛清は、北朝鮮ではいつ何が起きても不思議でないことを世界に知らしめた。
「事態は動き出したと思っている。チャンスとリスクは半々だ。私たちは、今度こそ勝つ闘いをしなくてはならない」
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