反原発集会:福島など3市開催 大江氏、再稼働反対訴える

毎日新聞 2014年03月09日 12時12分(最終更新 03月09日 12時26分)

 震災後3度目となる「原発のない福島を!県民大集会」(同実行委主催)が8日、郡山市、福島市、いわき市で同時開催され、主催者によると3会場に計5300人が集まった。郡山市のユラックス熱海では約3000人が参加し、再稼働反対を訴える作家、大江健三郎氏や、「福島第1原発は今も原子炉を冷却しているだけの状態」と説くNPO法人「原子力資料情報室」の報告に耳を傾けた。

 大江氏は、義父の映画監督、伊丹万作氏(1900〜46年)について「戦後、『自分たちはだまされていた』と語り、自らの責任から解放された気でいる日本人の姿を見た万作は、暗たんたる気分を抱いた」と紹介。

 その上で「日本人は事故後、大いに反省し、世論調査でも90%が原発廃止に賛成した。ところが、安倍政権が再稼働を進め、原発は安全と言い始めている。人々は戦時中のようにうすうすおかしいと気づきながら、自らだまされることを望んでいるのではないか」と訴え、「再び事故を起こせば次の世代に生きていく環境を残せないのは事実」と語った。

 最後に「福島県で原発は将来も行わず、自然エネルギーなどの研究開発拠点にせよ」など3点の集会宣言を採択した。【藤原章生】

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