島根、喫茶店のマスターが打たれ強く生きられるまで

37歳、男。妻、3人の娘と島根の田舎で暮らしています。自営の喫茶店での出来事や日々の暮らしや思い出などの日記です。

辞めても、始まらないよ。カクテル作りは続く。

 

先日、東京時代の部下から電話。

 

久しぶり、何かあったかと聞いてみると

  1. 新しく事業を始めるつもり
  2. ついては会社を辞めたい
  3. しかし会社は「今辞められては困る」と言っている
  4. 円満退社するにはどうしたらよいか
  5. 全体的にどう思うか

という内容だった。

 

意見を求められた。

外食というジャンルでは、独立したいという相談をよく受ける。

それ自体は常に応援だ。

 

 

けど、この後輩も多くの相談者と同じトラップにかかってしまっている。

現状ではトータルで反対だ。

 

どこが?

それは1だ。

  1. 新しく事業を始めるつもり

 

 

僕のこのブログのタイトル『打たれ強く生きられるまで』というのは

城山三郎の『打たれ強く生きる』から拝借した。

 

打たれ強く生きる (新潮文庫)

打たれ強く生きる (新潮文庫)

 

 

 

その城山三郎のエッセイ、『そうか、もう君はいないのか』を読んだのは

俺が自分の神戸の店を倒産させてしまってすぐ、

30歳の頃だった。

 

 

城山三郎は、「小説家になるために」大学教授を続けたらしい。

当時も小説家の仕事は東京にいなければ出来なかったようで、

住まいは東京に移し、勤務先の岡崎まで特急列車で通勤した。

 

「肝心なのは妻子の生活、そして文学への情熱」であると語っている。

 

 

場所も時間も「情熱があればなんとかなる」。

 

 

俺は商売をポシャらせた時、もうどうしたらいいか

正直オロオロするばかりだった。

はっきり言って「もうダメだ」と確信してしまっていた。

 

城山三郎の「文学への情熱」、

当時の自分に置き換えれば「飲食店への情熱」はあった。

 

しかし、

その夢ばかりを追うあまり、カミサンや娘に対して無責任すぎた。

「もうダメだ」なんて、言ってる場合ではない。

 

 

『そうか、もう君はいないのか』のその一文を読んで、

「店への情熱は持ち続けよう、今はとにかくお給料をもらって家族を養おう。

そのうちきっと、また店はできるから」

と、考え直し、東京へ単身で向かった。

 

 

なぜ部下に対して、

  1. 新しく事業を始めるつもり

のところから反対したか?

 

 

それはつまり、「つもり」だからだ。

 

「とっとと始めろ」

 

「始めるために辞めたい」なんて、おかしい。

「辞める」のはスタートではない。

 

 

これが「トラップ」だ。

辞める事から始まる、と思いがちだ。

会社、学校、なんらかの所属先、

実際、辞めてもそれは、「辞めただけ」だ。

 

 

城山三郎は大学教授を続けた。

比ぶべくもないが、俺もお給料もらいながら再挑戦の時期を計った。

 

 

起業すればイイ、

それでどうしてもカラダが追いつかないというところまで来たら、

それから会社も辞めればイイ。

 

 

ここで、

「辞めて、やるしかないという状況に追い込んで、背水の陣で臨む」

という考えもある。

 

 

そんなもんは、愚の骨頂だ。

 

起業する、つまり「事業を経営する」という人間が、

リスク分散、危機管理ができないでどうする?

 

「あとの無い状況」に自ら陥って、経営者といえるか?

 

おそまつ過ぎる発想だ。

そうやって失敗してきた俺がいうんだ、間違いない。

 

ずいぶんと小言。だけど、

もう部下じゃない彼の成功を、心から願う。

 

きっと彼も上手くいくとも思う。

俺の部下だったやつら、けっこう高い割合で事業成功させているから。

 

 

前にも書いたが、「やってみろ」である。

このお店をするまで - 島根、喫茶店のマスターが打たれ強く生きられるまで

 

 

さて、彼から見た俺は、あの頃よりも成長できているだろうか?

少しでも「打たれ強く生きて」いるだろうか?

 

友達や部下や後輩が、みんながんばっている。

俺も負けずに、がんばるぞ!

 

 

というわけで、

今日は4つ作りました。

全部メチャ美味でした!えっへん!!!

 

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左から

  1. カシスチェリー
  2. あおりんご、あかりんご
  3. ショコラロワイヤル
  4. モヒート・ゼロ

 

1は、味も見た目もかわいらしいのだが、今回の中ではアルコール感が強烈。

飲んだ時に、冷凍ラズベリーの食感も楽しめます!

 

2、青りんごのリキュール、りんごのリキュールをリンゴジュースで。

丸いグラスがよく似合う。お客様に試してもらってみたが、好評~~~!

 

3、これはイイのがでけた!!

ブラックカカオとフォームドミルク。まあ、ここまではよくあるが、

ここに更にモーツァルト(チョコリキュール)を加えて豪勢に。

グラノーラサンドイッチでおなじみ、グラノーラ開発日記 (id:K-granola)

グラさんからの影響でグラをあしらって。スゲー美味いよ~。

 

4、これはノンアルコール。

うちでも人気のモヒートをノンアルコールにしてみた。

ライムをたくさん搾って、ピールもたくさんいれてみた。

何故か酔う気がするのが不思議。

お昼間には、ノンアルコールビールじゃなくてこちらをどうぞ!

 

 

よーし!明日は休みだ!!

もっと作るぞ!!!