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林死刑囚の“友情”がアダになったオウム平田被告「懲役9年」
2014年03月09日 08時00分

 オウム真理教元幹部平田信被告(48)の裁判員裁判で東京地裁(斉藤啓昭裁判長)は7日、懲役9年(求刑12年)の実刑判決を言い渡した。

 目黒公証役場事務長仮谷清志さん(68=当時)拉致事件など起訴された3つの事件すべてで「与えられた役割を遂行した」として関与が認められた。「懲役4年が妥当」とした弁護側の主張が完全に退けられ、同じ3事件に関与した元信者Iが懲役6年だっただけに重い判決となった。

「懲役9年。実刑判決です。わかりますね?」と裁判長から言い渡された平田被告は何も言わずにうなずいた。17年間の逃亡に自らケリをつけた出頭だったが「遅きに失した」と結論付けられた。

 平田被告が犯行計画を事前に認識していたかどうかが争点だった。弁護側は拉致事件を「共犯ではなく、ほう助」、爆発物事件を「無罪」と主張した。それが一切認められなかった。

 仮谷さんの長男・実さん(54)でさえ「自身の記憶に沿った証言をしてくれた」と平田被告に一定の評価を与えたのに、地裁が「不自然な弁解」と切って捨てたのはある意味で驚きの結果である。

 大きな要因になったのは法廷に立った死刑囚らの証言だ。特に「平田と2人きりになりたかった」と堂々と言い切るほどの親友だった林(現姓=小池)泰男死刑囚(51)の証言が裏目に出た。

 林死刑囚は平田被告が有利になるような証言を次々と繰り出したが、裁判長は信ぴょう性に疑いを持った。その根拠を「林死刑囚は平田被告ともっとも仲が良く『平田をかばっていない』と言う一方『平田のためになりたい』とも言っている」と、信用できないと指摘。バカ正直に擁護に走った親友の登場は失敗に終わったわけだ。未決勾留日数500日を差し引いても、7年半の懲役になる。裁判期間中にノーコメントを貫いた弁護側は控訴について方針を明言しなかった。

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