グランパスがこれから目指すスタイルの輪郭が見えてきた試合だった。サッカーを面白くする要素の一つは連係の良さ。まだ、あうんの呼吸とまではいかないが、昨年まで滞りがちだった前線に流動性が生まれ、連係めいたものが見える。
開幕戦、2試合目と同じ先発メンバー。経験豊富な7人の兄と、4人の弟がいるような構成だった。田鍋と大武が順応性を見せた一方で、磯村、本多は球出しという点でミスが目立ち、悔しさを募らせているだろう。経験を積めば確実によくなるが、ゆっくり待つほどの余裕はチームにはない。早く成長する姿を見せられるかどうかが大事になる。
西野監督はリーグ戦を戦いながら、選手の配置や、組み合わせを試し成熟度を高めていくのだろう。4人の弟たちが担う役割は小さくない。 (元日本代表、グランパスDF・米山篤志)
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