MF小川の大胆な判断が決勝ゴールを生んだ。1点リードの後半21分、相手CKのこぼれ球を自陣で拾うと、「広大なスペースが前に広がっていた」と、並走するFW玉田と相手DFの動きを観察しながら約70メートルのロングドリブルでゴール前に侵入。最後は1人かわして左足で決め、「自分の中で、消極的なプレーをしない、と心掛けている。思い切って仕掛けた判断が良かった」と振り返った。
副主将となった今季、開幕戦では決勝失点につながるミスがあったものの、攻守にチームを引っ張る存在感を発揮している。この試合でもチーム最多の3本のシュートを放ち、DF本多が負傷退場した後のラスト10分間は左サイドバックの位置で反撃をしのぎきった。「練習はしていないけど、監督からは『アクシデントがあれば頼む』と言われていたし、それに対応できると思っている」と小川。名古屋の背番号10は、やはり頼りになる男だ。 (宮崎厚志)
◆玉田、技ありの先制弾
千両役者の左足が、バタバタとした前半の流れを断ちきった。先制点は玉田。後半8分、FWケネディのパスに反応して相手DFの裏を突くと、左足アウトサイドで飛び出したGKの鼻先を越す技あり弾を決めた。
ただ「ゴールにつなげる迫力はもっと出せた」と、前半の内容や2点リードした後の流れには課題を列挙。それでも「チームとしてまとまっていけば、成長する余地がある。どんな形でも1勝するだけで何かが変わる。とにかく勝ちたかった」と今季初勝利を喜んでいた。
◆本多、左脚つって交代
左サイドバックのDF本多が左ふくらはぎをつり、後半41分に担架に乗って交代。周囲を心配させたが試合後は笑顔で選手を出迎え、「全然大けがじゃありません。でも動けなかった」と苦笑いした。攻撃ではビルドアップやクロスに課題を残したものの、守備では相手の攻撃のキーマンの家長とのマッチアップをしのぎきり、「体が強かったけど、要所要所は抑えることができた」と手応えを得ていた。
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