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【グラニュース】


西野監督、就任初勝利

2014年3月9日 紙面から

 名古屋グランパスがFW玉田圭司(33)とMF小川佳純(29)の挙げた2点を守って大宮を下し、西野朗監督(58)が就任初勝利を手にした。3連覇を目指す広島と横浜M、鳥栖、鹿島は、それぞれ川崎、清水、浦和、仙台に勝ち連勝。J2から復帰のG大阪が新潟を2−0で破って2季ぶりのJ1勝利とした。C大阪は徳島を下し、F東京と甲府、神戸と柏は分けた。

◆名古屋2−1大宮

 久々の勝利の味をかみしめた。J最多を独走する245個目の白星は神戸監督を務めていた12年8月18日札幌戦以来、実に567日ぶり。タイムアップの瞬間、西野監督は努めて喜びを押し殺すようにコーチ陣と握手を交わした。

 「1勝は1勝。きょうの勝ちで3つぐらい勝ったことになるならいいですけど」。ダンディー指揮官は冷静にグランパス初勝利を受け止めた。

 緻密な西野采配が勝利を呼んだ。1点リードの後半ロスタイム。大宮にロングボールから同点ゴールを決められたかに見えたが、中央へヘディングで折り返したプレーがわずかにオフサイド。ギリギリで救われた。

 MF小川はこう振り返る。「細かく守備ラインを調整するよう指示されていた。クリアした後は押し上げるように徹底していた」

 敗れた開幕の清水戦では守備ラインがズルズル下がって3失点した。反省から大宮戦に向けたミーティングでラインコントロールの意識を徹底。土壇場でそれが生きた。

 G大阪で黄金期を築いたイメージが強い西野監督だが、当の本人の意識は違う。就任会見では「名古屋で悔しさを晴らしたい」と語った。頭に焼きついているのはシーズン半ばで解任された神戸時代の思いだ。

 西野監督は今季の始動にあたり、「神戸のこともある。やりたいようにやらせてもらう」とクラブ側にリクエストしたという。責任を背負う代わりに、必要な手は遠慮なく打つ。開幕直前に豊田スタジアムを借り切って行われた異例の“プレ開幕戦”もその一つ。大宮戦当日の朝には全員を集めて散歩を行った。

 「選手の意識を変えるには時間が必要かもしれない。一つ一つやっていく」。グランパスに漂う停滞感を打破する戦いは始まったばかり。大宮戦の1勝から、名将の新たなストーリーが本格的に幕を開けた。 (木村尚公)

 

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