2014年3月8日(土)

なぜ“呼吸法”を変えると肩こりが消えるのか?

太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる【9】

PRESIDENT BOOKS /PRESIDENT Online スペシャル

著者
宮崎 義憲 みやざき・よしのり
東京学芸大学名誉教授

1947年宮崎県生まれ。71年東京学芸大学大学院修了。医学博士。中学の体育教員を目指して東京学芸大学に進学するも、人の身体や脳の機能に興味を持ち、バイオメカニクス(身体運動学)や運動生理学を真剣に学ぶために、大学院に進学。 運動生理学を学ぶことによって、「健康と運動の関係」を深く探究。とくにウォーキングの研究では定評があり、厚生省の「健康日本21」の啓もう活動などによる運動ブームによって、1990年代に起こった「ウォーキング・ブーム」の火付け役と言われた。マスコミでも引っ張りだことなり、生活ほっとモーニング、ためしてガッテン(NHK)、発掘!あるある大辞典(フジテレビ)、花まるマーケット(TBS)などの健康特集には欠かせない存在となる。 また30年に及ぶ「健康市民講座」も大人気で、「ウォーキング」や「ダイエット」の話を中心に、講演回数は1000回を超える。健康運動指導士、体力づくり運動指導員など、指導者育成のための活動も見逃せない。日本ハムファイターズ監督の栗山英樹さんは、大学時代の教え子である。 主な著書に「息長く歩いて生き生き!」「脳をよくする簡単トレーニング」「宮崎教授のダイエット講座」など多数。現在は東京学芸大学名誉教授。関東学院大学や津田塾大学で非常勤講師もつとめる。

執筆記事一覧

東京学芸大学名誉教授・医学博士 宮崎義憲
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“太もも”を中心とした下半身の強化を説いた健康法が、幅広い男女から高い支持を得ている。静脈の血液を上半身に押し上げるポンプである“太もも”は「第二の心臓」と呼ばれ、健康や長寿の秘密が隠されている。また“太もも”などの下半身の強化は、肩こり・腰痛・高血圧・糖尿病・狭心症・便秘・不眠などの症状の改善につながり、さらに太らない体質を作りダイエットにも大きな効果がある。ヒット書籍『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』の著者で、ウォーキングの第一人者、東京学芸大学名誉教授・医学博士の宮崎義憲氏が、手軽に出来る簡単体操を交えながら独自の“太もも健康法”を語る。

ずっとねこ背だった人が、いきなり「良い姿勢」を取ろうとしてもなかなか、うまくできないかもしれません。

でも大丈夫です。とても効果的な「ねこ背矯正法」があります。それは腹式呼吸です。特に筋力が衰え始めた中高年者には効果的です。

ねこ背に腹式呼吸? まったく関係がないように思われるかもしれません。

ここでちょっと、中高年者に多く見られるねこ背の原因について説明しましょう。

実は中高年の場合、ねこ背の原因に腹筋や横隔膜の筋力の低下が加わっている場合が多いのです。

姿勢を支えている時は、背骨とその周りの筋肉だけが働いているのではありません。なんと腹圧(お腹の中の圧力)の力も働いているのです。心臓や肺を収めている胸部の骨格である胸郭は重力によって絶えず下に落ちようとしていますが、この腹圧によって、高さが保たれていることで、正しい姿勢が取れるのです。そして腹圧は腹筋や横隔膜の働きによって一定の圧が保たれています。

ところが加齢や運動不足から腹筋や横隔膜の筋力が低下してくると、腹圧も低下してしまいます。その結果、腹圧で胸郭をしっかりと支えることができず、胸郭が下がる。つまり、ねこ背になるのです。

そこで、ねこ背を治すためには、腹筋と横隔膜の筋力を強め、腹圧を高め、胸郭を持ち上げなくてはならないのです。

そして腹筋や横隔膜を鍛え、姿勢を改善させる簡単な方法が腹式呼吸なのです。

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