・ 会場は交通の不便なところ。
大安、南那須、別海。
・ 午後3時受付開始。
畳敷きの大広間に案内され、並んで 受付を待つ。
参加費+消費税を支払う。 振込済の参加者は、領収書のコピ ーを渡す。
名札をもらい、胸につける。
・ このあと、次の行動が、指示され る。
会場は、50〜100畳の広さ。
| ■ 受講者
指定された駅に、受講者が大 きなバッグを持って三々五々 降りている。 駅前には、ヤマギシのマイク ロバスが待っている。 バスは、細い山道を登り、人 里離れた山頂に着く。 和風木造の建物群。 ・緊張、不安、期待感のいり 交じった心境。 ・受付が終わったら、そのへ んに座ったり寝ころんだりし て待つ。 知らない者同志なので、何か ぎこちない。 仕事のやりくり等でかなり無 理をして来ているので、疲れ ている人が多い。 ・会場には、下記の垂れ幕が かかっている。 | 村人とは
ヤマギシに参 画した人のこ と。
実顕地メンバ ーとも呼ぶ。 |
@ 丸く車座に座るように言われ、 講習会の開講式。
ヤマギシ会側の挨拶。
車座の中に座って、ヤマギシ会の年 配の人が挨拶と目標の説明を行う。
これ以後、講習会の各セッション(ヤ マギシでは研鑚と呼ぶ)では、座布 団を円形に並べ車座にすわる。
真ん中に係(進行係)が2〜3名座り、 各班の係は参加者と一緒の円の中 に入り座る。 人数が多いときは、この輪が二重、 三重になる。
A 自己紹介を行う。 名前、年齢、職業、何処から来た か、参加の動機を一人ずつ自己紹 介する。
B 班分けを行う。 大体一班につき5〜15名。 一つの班に一人の係がつく。 係が生活面等の説明を行う。 班分けは、紙に書かれて貼りださ れる。 | 第○○○回特別講習研鑚会
一、いかなる場合にも腹のた たない人になる。 一、零位に立つ。 主観にとらわれないで、き めつけないで、 例えば地位、家柄、旧歴、 名誉、学歴、知識、経験、感 情(怒りも含めて)、思想、 風習、道徳、社会常識の 一切、信仰、財産、職業、 家、妻子、我、時間、生命等 に執着する心を放ち(一応棚 上げし)、 零の身軽さに立って物事を 見、考え、究明(研鑚)理解 する。 一、自他一体の理を研鑚し、 一、研鑚はすべての考え方 の基本であり、 すべての実行の基でもある のではなかろうかと思考し 一、自他一体で繁栄しようと いう理論、方法、実行はどう だろうかと研鑚する。
われひととともに繁栄せん | 実顕地
ヤマギシヘ参 画した人が住 む場所。
ヤマギシの社 会が実際に顕 現されている 所の意。
|
A お金、財布、時計、免許証、筆記 道具、定期、テレホンカード等を紙 封筒に入れ、班名と名前を書いて 係に渡す。 手元には、バッグに入った衣類と 洗面道具のみが残る。 B 講習会中は、講習会に集中する ために電話等の取次ぎは一切なし。
C 講習会時の行動は全て班単位で 行う。
D 食事は一日二回で、飲酒、間食 はなし。
E 就眠は男女の別を守り、一つの 布団にふたりずつで休むこと。毎晩 相手を変えて寝ること。
F 班単位で、食事の準備、後片付 け、トイレ掃除、風呂掃除、洗濯物 の分類等を行う。
作業には、必ずテーマとやり方が 決められており、そのとおりする。 例えば食器の後片付けなら… 『食器はかけません。』
G 衣類に布テープで名前を書き安 全ピンでとめる。下着上下の前、 右下に付ける。 洗濯後の分別のため。 | ・ 手元にお金、時計、身分 証明書等がなくなり、社会と のつながりを断たれ、おちつ かない気分になる。
知らぬ者同士が、「これで逃 げられませんね」等と話して いる。
・ 一人称の貼り紙をみて奇 異に思う。 例えば、『立ち入り禁止』を次 のように表示してある。 『入りません』 主語の「わたしは」が省略さ れている。
| 情報の遮断。
情報コントロ ールの開始。
ヤマギシでは 全てを内省化 させるため、 一人称を使う。 |
一日のスケジュール
6時 起床
6時30分 ラジオ体操
7時30分〜11時 午前の研鑚
11時30分 食事(第二食)
12時〜13時 昼寝
13時〜17時 午後の研鑚
17時 入浴
17時30分〜18時 食事(第一食)
18時30分〜 夜の研鑚
以上の説明があったのち、風呂に なる。
班毎に入浴し(15分位)、その間に他 の班は食事の準備を受けもつ。
| 講習会の係
・ ベテランの係が二名以上。 老・壮・中が配置されている。 壮・中は屈強なこわもての男。 老は女性が多い。 ・ 他に実顕地メンバーと熱 心なヤマギシ会員。
・ 開講の前々日から会場の 準備をかねて集合し、気をい れていく。
炊事係も係団に入り、講習 会に参加する人の家族構 成、仕事、参加動機等を把 握し、綿密に打ち合わせる。 各班のメンバー構成もこの 時決められる。 一つの班が一つの疑似家 族になるように、男女・年齢 構成を決める。
| お風呂に入る ときなど、自 分の履いたス リッパは自分 で棚に入れな い。 次の人にいれ てもらう。 係が「ここでは 自分のことは 自分でしない で、人にしても らうのだよ」と 注意する。 だから背中は 他の人に洗っ てもらう。 ヤマギシで は、自分のこ とは自分で 決めないの が原則。 |
夕食
| 入浴が終わると、各班単位に テーブルセット、運び、食器洗 い(食後)にわかれる。 | それぞれにテ ーマが与えら れ、そのテー マ毎に行なう。 |
食事の内容
・ ヤマギシ会では玄米はありませ ん。 ・ 第二食は八分目、第一食では 十二分目食べます。 ・ よくかまないでたべます。 ・ 夜八時から翌朝十時まで水以 外お茶も口にしません。 ・ 間食はありません。食後に上等 のものを少量たべます。 | 昼食を「第二食」と言い、 夕食を「第一食」と言う。 朝食はなし。
左記が「食事の原則」と言わ れる。 | 入浴のとき も食事のと きも、受講 者同士でゆっ くり話すほど の時間はな い。 |
食事の前に、スイジーズのメンバー がメニューの紹介を行う。エプロン姿 で出てくる。
ニコニコと「○○実顕地で採れた○ ○です。デザートは○○実顕地の ○○です。ゆっくりとお召し上がりく ださい」と、はにかみながら言う。
女性がお母さん役をして、ごはんや 味噌汁を入れる。お父さん役の男 性が「頂きます」と声をかけて食べ はじめる。 | 世話係
食事などの世話をする係を世 話係と呼び、熱心なヤマギシ の会員がなる。
炊事の係をスイジーズと呼 び、『今度の特講のスイジー ズやってくれない』とか言っ て、ボランテイアを募る。 | 赤の他人なの に、食事時な どは接待する 女性を「お母 さん」と言う。 男性を「お父 さん」と言う。
最初は違和感 があるが、次 第に慣れてく る。 |
食事のときのテーマは 『一テーブル一家族です』
初日の第一食は、大体ちらし寿司で ある。 各班の係が行動の手本を示すの で、受講者はその真似をする。
おかずを取るときは、自分でとらな いでお母さん役の女性にとってもら ったりする。 調味料を取るときも自分で取らない で、「醤油を取ってください」等、 「○○してください」と人にたのむ。
面白がって「○○してください」を連 発する。
自分も他の人から「○○してくださ い」と言われたらそのようにする。 普段家ではやらないお父さんも、ぎ こちなくやる。
| テーマについて
例えば、後片づけの場合は 『声かけ合ってすすめます』
「はい」とか言いながら、声を かけてお皿を相手に渡し、か たずける。
お皿を洗う班は 『食器は欠けません』
トイレ掃除は 『心を込めて隅々まで磨きま す』
講習会がすすんでいくと、素 手で便器を掃除する人間が 出てくる。
掃除は事細かに指示書が示 され、その通りに行なう。
例えば窓のガラス磨きは、新 聞紙を折り曲げて磨くが、そ の新聞紙の折り方まで指示 通りに折って行なう。
掃除の仕方について、風呂、 トイレ、部屋、等の掃除道具 置場に貼りつけてあり、それ を見てそのとおりやる。 | 自分の意思で なく、テーマで 行動する。 最初は少し違 和感を覚え る。
何時の間に か、言われた とおりにやる クセがつく。
家族ゲームの よう。
ヤマギシでは 自分の意思で 行動せず、テ ーマを確認し て行動するの が原則。 自分で判断し ない。
スイジーズの テーマは、「万 人の子らをむ かえて」
|
食事が終わると、お父さん役の人 が、「御馳走さまでした」と言う。 班の全員が「御馳走さまでした」と言 い、食事が終わる。 テーマに従って、後片付け、食器洗 いをする。 | 風呂で経験しているので、こ こではこうやるんだな、と真似 をする。 | 各班に配置さ れた係は、冷 静に受講者を 観察している。 |