ヤマギシを考える全国ネットワーク/いづみ交差点


特講スケジュール表
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《 第一日目 》 導入/零位研鑚



■ 前段階

・『一生に一度しか受けられない』
・『人生の大転換』
 『一週間で生まれ変わる』
・『腹の立たない人になれる』
・『本当の自分に出会う』
・『子育ての悩みも解消』
・『やりたいことが、やれるようになる』
          ↓
「美味しいものを食べて、ゆっくり静
養したらいいですよ」と、不安をうち
けす。
地域にいる会員やヤマギシの拡大
部の人間が来て、色々レクチャーし
て送りだす。
例えば、下着は何枚持っていくと
か、歯ブラシ、ヒゲ剃り、心構え・等
……
これを称して『送り出し研』という。
■ 受講者側の動機

・ 何か人生上の問題に困難
や行き詰まりを感じている。

・(子供、環境、教育、病身、夫
婦、人間関係、会社、仕事等)
解決策をみつけたい。

・ 『一生に一度』と言われ、
日程をやりくりする。
 受講料も安くないし、日程を
やりくりしてきたのだから、何
かをつかんで帰りたい

・ 宗教にあらず、ということな
ので、まずは安心だ。
会員とは

ヤマギシの講
習を受けた人
のこと。

《 第一日目 》
・ 会場は交通の不便なところ。

大安、南那須、別海。

・ 午後3時受付開始。

畳敷きの大広間に案内され、並んで
受付を待つ。

参加費+消費税を支払う。
振込済の参加者は、領収書のコピ
ーを渡す。

名札をもらい、胸につける。

・ このあと、次の行動が、指示され
る。

会場は、50〜100畳の広さ。




■ 受講者

指定された駅に、受講者が大
きなバッグを持って三々五々
降りている。
駅前には、ヤマギシのマイク
ロバスが待っている。
バスは、細い山道を登り、人
里離れた山頂に着く。
和風木造の建物群。
・緊張、不安、期待感のいり
交じった心境。
・受付が終わったら、そのへ
んに座ったり寝ころんだりし
て待つ。
知らない者同志なので、何か
ぎこちない。
仕事のやりくり等でかなり無
理をして来ているので、疲れ
ている人が多い。
・会場には、下記の垂れ幕が
かかっている。
村人とは

ヤマギシに参
画した人のこ
と。

実顕地メンバ
ーとも呼ぶ。

@ 丸く車座に座るように言われ、
講習会の開講式。

ヤマギシ会側の挨拶。

車座の中に座って、ヤマギシ会の年
配の人が挨拶と目標の説明を行う。

これ以後、講習会の各セッション(ヤ
マギシでは研鑚と呼ぶ)では、座布
団を円形に並べ車座にすわる。

真ん中に係(進行係)が2〜3名座り、
各班の係は参加者と一緒の円の中
に入り座る。
人数が多いときは、この輪が二重、
三重になる。

A 自己紹介を行う。
 名前、年齢、職業、何処から来た
か、参加の動機を一人ずつ自己紹
介する。

B 班分けを行う。
 大体一班につき5〜15名。
 一つの班に一人の係がつく。
係が生活面等の説明を行う。
 班分けは、紙に書かれて貼りださ
れる。

第○○○回特別講習研鑚会

一、いかなる場合にも腹のた
たない人になる。
一、零位に立つ。
  主観にとらわれないで、き
めつけないで、
 例えば地位、家柄、旧歴、
名誉、学歴、知識、経験、感
情(怒りも含めて)、思想、
風習、道徳、社会常識の
一切、信仰、財産、職業、
家、妻子、我、時間、生命等
に執着する心を放ち(一応棚
上げし)、
 零の身軽さに立って物事を
見、考え、究明(研鑚)理解
する。
一、自他一体の理を研鑚し、
一、研鑚はすべての考え方
の基本であり、
 すべての実行の基でもある
のではなかろうかと思考し
一、自他一体で繁栄しようと
いう理論、方法、実行はどう
だろうかと研鑚する。

われひととともに繁栄せん
実顕地

ヤマギシヘ参
画した人が住
む場所。

ヤマギシの社
会が実際に顕
現されている
所の意。

A お金、財布、時計、免許証、筆記
道具、定期、テレホンカード等を紙
封筒に入れ、班名と名前を書いて
係に渡す。
 手元には、バッグに入った衣類と
洗面道具のみが残る。
   
B 講習会中は、講習会に集中する
ために電話等の取次ぎは一切なし。

C 講習会時の行動は全て班単位で
行う。

D 食事は一日二回で、飲酒、間食
はなし。

E 就眠は男女の別を守り、一つの
布団にふたりずつで休むこと。毎晩
相手を変えて寝ること。

F 班単位で、食事の準備、後片付
け、トイレ掃除、風呂掃除、洗濯物
の分類等を行う。

 作業には、必ずテーマとやり方が
決められており、そのとおりする。
 例えば食器の後片付けなら…
 『食器はかけません。』

G 衣類に布テープで名前を書き安
全ピンでとめる。下着上下の前、
右下に付ける。
 洗濯後の分別のため。
・ 手元にお金、時計、身分
証明書等がなくなり、社会と
のつながりを断たれ、おちつ
かない気分になる。

知らぬ者同士が、「これで逃
げられませんね」等と話して
いる。

・ 一人称の貼り紙をみて奇
異に思う。
例えば、『立ち入り禁止』を次
のように表示してある。
『入りません』
主語の「わたしは」が省略さ
れている。
情報の遮断。

情報コントロ
ールの開始。



ヤマギシでは
全てを内省化
させるため、
一人称を使う。

 一日のスケジュール

6時         起床

6時30分      ラジオ体操

7時30分〜11時  午前の研鑚

11時30分     食事(第二食)

12時〜13時    昼寝

13時〜17時    午後の研鑚

17時        入浴

17時30分〜18時 食事(第一食)

18時30分〜    夜の研鑚

以上の説明があったのち、風呂に
なる。

班毎に入浴し(15分位)、その間に他
の班は食事の準備を受けもつ。

 講習会の係

・ ベテランの係が二名以上。
老・壮・中が配置されている。
壮・中は屈強なこわもての男。
老は女性が多い。
・ 他に実顕地メンバーと熱
心なヤマギシ会員。

・ 開講の前々日から会場の
準備をかねて集合し、気をい
れていく。

 炊事係も係団に入り、講習
会に参加する人の家族構
成、仕事、参加動機等を把
握し、綿密に打ち合わせる。
 各班のメンバー構成もこの
時決められる。
 一つの班が一つの疑似家
族になるように、男女・年齢
構成を決める。
お風呂に入る
ときなど、自
分の履いたス
リッパは自分
で棚に入れな
い。
次の人にいれ
てもらう。
係が「ここでは
自分のことは
自分でしない
で、人にしても
らうのだよ」と
注意する。
だから背中は
他の人に洗っ
てもらう。
ヤマギシで
は、自分のこ
とは自分で
決めないの
が原則。
 夕食
入浴が終わると、各班単位に
テーブルセット、運び、食器洗
い(食後)にわかれる。
それぞれにテ
ーマが与えら
れ、そのテー
マ毎に行なう。

 食事の内容

 ・ ヤマギシ会では玄米はありませ
ん。
 ・ 第二食は八分目、第一食では
十二分目食べます。
 ・ よくかまないでたべます。
 ・ 夜八時から翌朝十時まで水以
外お茶も口にしません。
 ・ 間食はありません。食後に上等
のものを少量たべます。
昼食を「第二食」と言い、
夕食を「第一食」と言う。
朝食はなし。

左記が「食事の原則」と言わ
れる。
入浴のとき
も食事のと
きも、受講
者同士でゆっ
くり話すほど
の時間はな
い。

食事の前に、スイジーズのメンバー
がメニューの紹介を行う。エプロン姿
で出てくる。

ニコニコと「○○実顕地で採れた○
○です。デザートは○○実顕地の
○○です。ゆっくりとお召し上がりく
ださい」と、はにかみながら言う。


女性がお母さん役をして、ごはんや
味噌汁を入れる。お父さん役の男
性が「頂きます」と声をかけて食べ
はじめる。
世話係

食事などの世話をする係を世
話係と呼び、熱心なヤマギシ
の会員がなる。

炊事の係をスイジーズと呼
び、『今度の特講のスイジー
ズやってくれない』とか言っ
て、ボランテイアを募る。
赤の他人なの
に、食事時な
どは接待する
女性を「お母
さん」と言う。
男性を「お父
さん」と言う。

最初は違和感
があるが、次
第に慣れてく
る。

食事のときのテーマは
『一テーブル一家族です』

初日の第一食は、大体ちらし寿司で
ある。
各班の係が行動の手本を示すの
で、受講者はその真似をする。

おかずを取るときは、自分でとらな
いでお母さん役の女性にとってもら
ったりする。
調味料を取るときも自分で取らない
で、「醤油を取ってください」等、
「○○してください」と人にたのむ。

面白がって「○○してください」を連
発する。


自分も他の人から「○○してくださ
い」と言われたらそのようにする。
普段家ではやらないお父さんも、ぎ
こちなくやる。










 テーマについて

例えば、後片づけの場合は
『声かけ合ってすすめます』

「はい」とか言いながら、声を
かけてお皿を相手に渡し、か
たずける。

お皿を洗う班は
『食器は欠けません』

トイレ掃除は
『心を込めて隅々まで磨きま
す』

講習会がすすんでいくと、素
手で便器を掃除する人間が
出てくる。

掃除は事細かに指示書が示
され、その通りに行なう。


例えば窓のガラス磨きは、新
聞紙を折り曲げて磨くが、そ
の新聞紙の折り方まで指示
通りに折って行なう。

掃除の仕方について、風呂、
トイレ、部屋、等の掃除道具
置場に貼りつけてあり、それ
を見てそのとおりやる。
自分の意思で
なく、テーマで
行動する。
最初は少し違
和感を覚え
る。

何時の間に
か、言われた
とおりにやる
クセがつく。

家族ゲームの
よう。

ヤマギシでは
自分の意思で
行動せず、テ
ーマを確認し
て行動するの
が原則。
自分で判断し
ない。

スイジーズの
テーマは、「万
人の子らをむ
かえて」

食事が終わると、お父さん役の人
が、「御馳走さまでした」と言う。
班の全員が「御馳走さまでした」と言
い、食事が終わる。
テーマに従って、後片付け、食器洗
いをする。
風呂で経験しているので、こ
こではこうやるんだな、と真似
をする。
各班に配置さ
れた係は、冷
静に受講者を
観察している。

夜7時より夜の研鑚
■ 零位研鑚

掛けてある垂れ幕について

車座の中に座った進行係が、受講
者に「誰か読んでくれませんか」と声
をかける。
一人が「はい」と答えて読む。
一行か二行読むと、係が「はい」と声
をかけて止め、次の受講者に読ます。
読みおわると、係が次のような問い
かけをする。

「零位とはなんですか」


形をかえて、受講者が降りてきた駅
の名前を揚げ、「○○駅はどの方向
にありますか」と尋ねたりする。

色々な意見が出たあと、

進行係は結論を出さないで、次のよ
うに言う。

「明日の朝、明るくなったら、○○駅
が何処にあるのか、本当はどうか確
かめてください」








突然の問いに戸惑う

零の位とはなにか…。
色々考える。


何でこんなことを問われるの
か、どうしてこれが問題にな
るのか、わからない。
係に聞いても、同じ質問を繰
り返すだけである。

参加者は皆、自分が思いつ
いたことを言う。

これ以降、進行係の問いに
答える形で講習会は進む。

参加者同士が意見を述べて
議論するのではなく、進行係
とのやりとりになる。

この研鑚のね
らいは、自分
の判断力に自
信をなくさせる
こと、また意見
の多様性をわ
からせること
にある。

これはまたヤ
マギシの認識
論、『事実と思
いの分離』の
伏線になって
いる。
 こうして一日目が終わる……
自我の解体の
第一歩が、何
気ない形では
じまる。
毛布を寝袋のようにしてその中に入
り込み、二人で一枚の布団で寝る。

以後、毎晩相手を変えて寝る。
いびきや始めての経験で、
中々眠れない。

係は、他の部屋で打合せをし
ていて、かなり遅くなってから
帰って来る。空いている布団
にもぐり込んで寝る。
各班の係がそ
の班の受講者
の癖、態度、う
ちとけかた等
を進行係に報
告し、参加者
の性格を読み
とる。





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