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<ソチパラリンピック>狩野、日本人金1号 両親の前で快挙

毎日新聞 3月8日(土)20時12分配信

 【ソチ岸本悠】ソチ冬季パラリンピックで8日、アルペンスキー男子滑降座位を狩野亮(かのう・あきら)選手(27)=マルハン=が制し、今大会日本人金メダル第1号に輝いた。狩野選手は2010年バンクーバー大会スーパー大回転座位の覇者で、2大会連続での金メダル獲得。日本勢初の快挙を成し遂げた。

【ソチパラリンピック】男子滑降で狩野「金」 鈴木「銅」

 狩野選手は北海道網走市出身。小学校3年の春、交通事故に遭い、一時生死の境をさまよった。何とか一命は取り留めたものの、脊髄(せきずい)損傷で車いす生活に。家族で出かけることもままならなくなってしまい、狩野選手だけでなく、息子に野球やスキーをさせたかった父操さん(55)の落胆も大きく、家族から笑顔が消えた。

 何とかしようと、母照美さん(56)の提案で、出会ったのがチェアスキーだった。スキー指導員の資格を持つ操さんは何度もゲレンデに連れて行ったが、狩野選手は「こんなのはスキーじゃない。立ってスキーがしたい」と涙を流すこともあった。

 そんな状況を変えたのは、操さんと一緒にテレビで見た長野パラリンピックだった。楽しく乗るだけのものと思っていたチェアスキーの迫力に親子で魅せられ、「勝負できる世界」との気持ちが湧いてきた。生きがいを見つけた狩野選手の表情は日に日に明るくなり、いつしか家族に笑顔が戻った。

 そしてこの日、応援に訪れた両親の前で、自分たちを救ってくれたチェアスキーに乗って頂点に立った狩野選手。「本当にうれしい」と喜ぶ狩野選手を見つめる両親にも、最高の笑顔があった。

最終更新:3月8日(土)22時17分

毎日新聞

 

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