事故や不祥事が相次ぐ北海道旅客鉄道(JR北海道)はレール枕木の交換工事を東日本旅客鉄道(JR東日本)のグループ会社に発注する。レールの幅が広がったり、高さがずれたりしやすい木製の枕木をコンクリート製に切り替える。JR北海道の安全確保に向け、JR東日本との具体的な協力が動き出す。
2014年度の工事をJR東日本のグループ会社数社に発注し、工期も短縮する。4月にJR北海道の会長に就く須田征男氏が相談役を務める東鉄工業などが対象となる見込み。JR北海道はこれまで保線業務を子会社2社に発注しており、JR北海道グループ外への依頼は初めて。
工事区間は函館市北部にある函館線の森―大沼駅間。貨物列車の運行が多く、木製の枕木が多く残っている。13年9月には大沼駅で貨物列車が脱線。運輸安全委員会はレール幅が社内基準を超えて広がったまま放置していたことが原因と指摘した。道内の270カ所でレールの異常放置が見つかった。
JR東日本はJR北海道の安全確保へ13年11月に技術系の幹部社員8人を出向させた。JR北海道は枕木や車両の交換などの安全投資に14年度は13年度比3割増の250億円を充てる計画だ。
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