東濃地科学センターの瑞浪超深地層研究所(瑞浪市)で二十五日、高レベル放射性廃棄物の処分方法を研究する現場となる地下五百メートルの水平坑道が初めて報道陣に公開された。
所管する文部科学省が北海道の幌延深地層研究センターとの統合を検討する中、センターは「岩盤の種類が違い、どちらがいいという選択にはならない」と述べ、両施設の存続を強調した。
坑道は幅四〜五メートル、高さ三・三〜四・五メートルの半円形。総延長は四百二十七メートル。二〇一一年四月から掘り始め、今月四日に完成した。
これまでの研究の中心だった地下三百メートルの水平坑道に比べ、岩盤の割れ目が少なく、地下水が通りにくいため、地層処分が想定される環境での研究が可能になるという。
完成した地下500メートルの水平坑道=瑞浪市明世町の瑞浪超深地層研究所で
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一五年度以降に坑道の一部を冠水させる試験を予定している。地層処分で埋め戻した後の影響を調べるためで、世界でも例がない。地域交流課の飯島克彦課長は「これまでより高い精度の研究成果を目指したい」と話した。
エレベーターが地下五百メートルに到達していないため、一般向けの公開は予定していない。
(山本真士)
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