STAP細胞疑惑: 日本分子生物学会が3/3の理事長声明で、「STAP細胞について、作製手順と調査結果の開示」を要望した
http://www.mbsj.jp/admins/statement/20140303_seimei.pdf
のに答えるかたちで、理研が「STAP細胞作製プロトコル」を3/5に公表した。
http://www.cdb.riken.jp/jp/04_news/articles/pdf/14/protocol_exchange_v1.pdf
3/6の「産経」は「小保方さん、再現実験に成功」と報じた。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140306/wlf14030610070007-n1.htm
が自分の実験を自分でやって繰り返し成功するのは当たり前で、利害関係のない第三者がやって同じような結果が得られるのを「再現」とか「追試成功」という。
よってこれは産経の誤報であろう。
この小保方、笹井、丹羽3名の連名によるプロトコルには、単に実験の手順だけでなく、STAP細胞についての追加データや新たな解釈も盛られている。
今回読みなおして一番当惑するのが、
生後1週間のマウス脾臓から取り出したT細胞細胞をストレス処理して1週間培養すると、細胞は分裂しないで集まって小塊をつくる(STAP細胞)、
このままではSTAP細胞は死滅するが、別種の培養液に移すと細胞分裂して増殖し、単一細胞でも増殖するSTAP幹細胞ができる。
末梢T細胞はSTAP細胞になる(TCR遺伝子の再構成が証明できる)が、このSTAP細胞にはTCR遺伝子の再構成が認められない、という記述だ。STAP細胞8株を調べ、8株とも遺伝子は胚細胞型だった、と述べている。
これが事実だとすると、次の二つの可能性が考えられる。
1)STAP細胞とSTAP幹細胞は別の細胞である。(汚染により別の細胞が混じったか、もともとT細胞の小塊に含まれていたT細胞でない幹細胞か)
2)STAP細胞にはTCR遺伝子の再構成があったが、7日間の培養の間にTCR遺伝子の逆再構成が起こり、胚細胞型に変換した。
この点について、ネットの専門ブログでは「TCR再構成のないことは、STAP細胞のT細胞由来(分化した細胞由来)を否定するもの」(1のケース)と受けとめられているが、プロトコル執筆者は本気で「再構成遺伝子の初期化」を考えているようだ。
(私はこれを「錬金術」と理解している。)
ここは高度に専門的な領域になるので、簡単には片付かないと思う。
そこで今回のメルマガでは、一体この論文の発表以来の大騒ぎをどのようにいったん締めくくるのが現実的か、考察を行ってみた。
今回は、とても他の話題にまで手が回らなかった。
武田さん、貴方のブログに転載されたものは、専門ブログにリンクされるようですので、アップをよろしくお願いします。
http://www.mbsj.jp/admins/statement/20140303_seimei.pdf
のに答えるかたちで、理研が「STAP細胞作製プロトコル」を3/5に公表した。
http://www.cdb.riken.jp/jp/04_news/articles/pdf/14/protocol_exchange_v1.pdf
3/6の「産経」は「小保方さん、再現実験に成功」と報じた。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140306/wlf14030610070007-n1.htm
が自分の実験を自分でやって繰り返し成功するのは当たり前で、利害関係のない第三者がやって同じような結果が得られるのを「再現」とか「追試成功」という。
よってこれは産経の誤報であろう。
この小保方、笹井、丹羽3名の連名によるプロトコルには、単に実験の手順だけでなく、STAP細胞についての追加データや新たな解釈も盛られている。
今回読みなおして一番当惑するのが、
生後1週間のマウス脾臓から取り出したT細胞細胞をストレス処理して1週間培養すると、細胞は分裂しないで集まって小塊をつくる(STAP細胞)、
このままではSTAP細胞は死滅するが、別種の培養液に移すと細胞分裂して増殖し、単一細胞でも増殖するSTAP幹細胞ができる。
末梢T細胞はSTAP細胞になる(TCR遺伝子の再構成が証明できる)が、このSTAP細胞にはTCR遺伝子の再構成が認められない、という記述だ。STAP細胞8株を調べ、8株とも遺伝子は胚細胞型だった、と述べている。
これが事実だとすると、次の二つの可能性が考えられる。
1)STAP細胞とSTAP幹細胞は別の細胞である。(汚染により別の細胞が混じったか、もともとT細胞の小塊に含まれていたT細胞でない幹細胞か)
2)STAP細胞にはTCR遺伝子の再構成があったが、7日間の培養の間にTCR遺伝子の逆再構成が起こり、胚細胞型に変換した。
この点について、ネットの専門ブログでは「TCR再構成のないことは、STAP細胞のT細胞由来(分化した細胞由来)を否定するもの」(1のケース)と受けとめられているが、プロトコル執筆者は本気で「再構成遺伝子の初期化」を考えているようだ。
(私はこれを「錬金術」と理解している。)
ここは高度に専門的な領域になるので、簡単には片付かないと思う。
そこで今回のメルマガでは、一体この論文の発表以来の大騒ぎをどのようにいったん締めくくるのが現実的か、考察を行ってみた。
今回は、とても他の話題にまで手が回らなかった。
武田さん、貴方のブログに転載されたものは、専門ブログにリンクされるようですので、アップをよろしくお願いします。