生殖補助医療法案:代理出産を限定容認 自民PTが3素案
毎日新聞 2014年03月06日 21時06分(最終更新 03月07日 11時14分)
自民党の「生殖補助医療に関するプロジェクトチーム」(PT、座長・古川俊治参院議員)は6日、不妊治療などの生殖補助医療に伴う第三者の精子・卵子使用や代理出産を、条件付きで認める法案の素案を示した。第三者が関与できるのは法律婚の夫婦に限定し、代理出産は妻が医学的に妊娠できない場合に限った上で、条件の異なるA〜Cの3案に分類。生殖補助医療で生まれる子どもと親の法的関係も定めている。
素案は精子・卵子のいずれかが第三者提供である場合に加え、精子、卵子がともに第三者提供というケースも容認。代理出産は、妻が先天的に子宮がなかったり摘出したりした場合などに限って認め、実施する医療機関を厚生労働相が指定する点は共通している。
その上でA案は代理出産について、夫婦間の精子・卵子による受精卵のほか、妻に卵巣がない場合は夫の精子と第三者の女性の卵子を使うことも認める。一方、B案では精子・卵子使用を夫婦間に限っており、さらにC案は代理出産自体を家裁による許可制とした。
夫婦や提供者のあっせんや同意書の保存は厚労相の指定機関が行い、同意書は80年間保存。第三者の精子・卵子で生まれた子どもの遺伝情報を確認できる仕組みだが、子ども自身に出自の確認を認めるかは賛否が割れており、今回の法案では結論を出さない方針だ。
法的な親子関係は3案とも出産した女性を「母」と認定。ただC案では家裁の許可を得て行う代理出産の場合、依頼した夫婦の側を「父母」とした。PTは議員立法で今国会の法案提出を目指すが、伝統的な家族観を重視する自民党保守派の反発も予想され、意見集約は不透明だ。【横田愛】
◇女性への配慮必要 海外でのトラブル絶えず
法案の焦点の一つが、第三者に妊娠・出産をしてもらう代理出産を認めるかどうかだ。
代理出産をめぐっては、あっせん業者を介して米国やインド、タイなどの海外で依頼する日本人夫婦が後を絶たない。しかし、生まれた子の引き渡し拒否▽子の引き取り拒否▽引き受けた女性の死亡▽子供の障害による中絶−−などさまざまなトラブルが報告されている。国内でも、ごく一部の医療機関で実施され、国内で公的ルールを整備し限定的に道を開くよう求める声が上がっていた。
妊娠・出産は女性の心身に大きな負担やリスクを伴う上に、代理出産には「女性の体を道具として使うことにならないか」という倫理的な懸念がある。