インドネシア:「美女警察」でデモ隊懐柔

2014年03月08日

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労働者団体による抗議デモが行われた首都ジャカルタの日本大使館前で、デモ参加者に話しかけ、沈静化に努める女性警官たち=インドネシアで2014年2月25日、佐藤賢二郎撮影

 【ジャカルタ佐藤賢二郎】女性警察官の武器はほほ笑み−−。

 経済成長に伴い待遇改善を求める労働者のデモなどが頻発するインドネシアで、国家警察が女性警官の積極活用を進めている。相手との雰囲気を和らげるのが狙いで、第一線に立つルーシー・ハイラニさん(20)は「デモの参加者はほとんどが男性。私たちが話しかけると鎮まる」と、スマイル作戦の効果を語る。

 2月下旬、ジャカルタ中心部の日本大使館前で労働者数百人が集まった。ある日系企業の労働法違反を訴えるデモ隊に対し、警察は最前列に女性警官12人を配置。参加者に言葉をかけ、笑顔を見せた。抗議活動は過激化することなく約1時間で終了。デモ隊は別の場所へと移動した。

 警察関係者によると、容姿端麗な女性中心の部隊は昔からあるが、採用規模を拡大し、積極的に活用を始めたのは3年ほど前から。テレビやイベントで交通安全を呼びかけたり、デモ隊との交渉を通じ、暴徒化するのを防いだりするのが主な任務だ。

 毎年約500人が入校する女性警察学校の校長は、地元メディアに「理想の身長は165センチ、体重は55キロ。志願者のほとんどがかわいくてスマートな女性ばかりだ」と話した。ハイラニさんは「美しさは大事な武器」と語り、毎月の化粧品代なども支給されているという。

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