日本相撲協会は7日、大相撲春場所の取組編成会議を開き、2日目までの取組を決めた。東前頭筆頭に出世した遠藤(23)=追手風=は初日に綱とりを狙う大関鶴竜と初対戦、2日目に横綱日馬富士と初めて顔を合わせる。遠藤はこの日、稽古をせず、報道陣をシャットアウトしてまで疲労回復に努めた。心身ともにリフレッシュしたホープがいよいよ出陣する。
前日までの人だかりがウソのよう。静かな朝を迎えた堺市北区の追手風部屋宿舎には「本日は休養日の為取材は一切受付しませんのでご了承下さい」との貼り紙。訪れたファンも遠藤が休みと知ると、残念そうに引き揚げた。ファンだけでなく、報道陣をも完全にシャットアウト。普段の遠藤は朝稽古後の取材にも丁寧に応じるだけに、ここまでの対応はよっぽどのこと。万全の状態で初日を迎えたいとの意気込みがひしひしと伝わってくるようだった。
初日は東前頭筆頭が東大関と対戦する最近の取組編成通りとなった。遠藤は前日の6日に「覚悟してやるしかないなという気持ちですね」と心境を語っていた。大阪入り後、出稽古で鶴竜にコテンパンにされたが、「やりにくさとかは一切ないです。稽古場以上の気持ちでぶつからないと」と本場所に向けて戦闘モードは高まっている。
遠藤にとって鶴竜には特別な思いもある。昨年2月の入門会見で「目指している相撲は鶴竜関」と明かした。突き押しからまわしを引く遠藤にとって取り口の似た大関は絶好のお手本。それだけに「少しずつ認められるように必死に頑張ります」と気合は十分だ。
1月の初場所後からイベントに出たり、支援者に会ったりと多忙を極めた。さらに大阪入りしてからも出稽古で鶴竜や横綱白鵬ら上位陣の胸を借り、これまでにないほど疲労が蓄積していた。この日は宿舎でじっくり静養したとみられ、8日も軽めの調整だけの予定。疲れを癒やしたホープが大関に全力でぶつかる注目の一番まであと1日だ。
この記事を印刷する