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【大リーグ】

ダルビッシュ、収穫ありの2失点 同地区球団相手に手の内隠し

2014年3月6日 紙面から

◇オープン戦 エンゼルス7−4レンジャーズ

 【テンピ(米アリゾナ州)大城和美】宿敵封じへ、種まき完了−。ダルビッシュ有投手(27)は4日(日本時間5日)、当地でのエンゼルス戦でオープン(OP)戦2度目の先発。同地区ライバルを相手に3イニングで1本塁打を含む3安打2失点を喫したが、通算4被弾とメジャーで最も本塁打を浴びている宿敵マイク・トラウト外野手(22)には直球だけで勝負するなど、手の内を隠した中での結果。一方で、他の打者には新たにチェンジアップを試投するなど、開幕後を見据え、過去2年とは違う攻め方、駆け引きも模索。本人も「いくつかのことが試せた」と語るなど、手応え、収穫十分の登板となった。

 火花散る駆け引きが、早くも展開された。3回、トラウトに投じた2球目はライナーで右前に運ばれた。だが、ダルビッシュの淡々とした表情に変化はない。「真っすぐしか投げないと決めていましたから」。1回の第1打席も含め、22歳の強打者に投げた4球はいずれも直球。同地区ライバル球団の主砲に手の内を隠しきり、右腕は涼しげに笑った。

 まさに宿敵だ。2012年に新人王を争った2人。過去2年の対戦打率は3割2分1厘。打者別では最多の10三振を奪っているが、同じく最多の9安打&4本塁打を浴びている。今やメジャー屈指のエースとなった右腕が、真っ向勝負で「やり返されている」数少ない1人。当然、抑えれば勝利はグッと近くなるだけに、オープン戦のこの時期にわざわざ手の内を明かす必要はない。

 「他(の変化球)は見せません。今年は(トラウトに対し)違う感じでいこうと思っているので」。シーズンに向けた腹の探り合い。“種”をまいたのはトラウトだけではない。2回にイバネスに一発を浴びた場面も、シーズン中ならカットボールを投げるところ。だが、「どれだけ真っすぐでポップアップ(フライ)になるかなと思ったら、すごいポップアップ(本塁打)を打たれた(笑)」。打者の反応を確かめつつ、さらにこれまで「試合で使えない」と封印していたチェンジアップも多投した。

 「チェンジアップは今朝、キャッチボールで感覚をつかんでしまったので。感覚は絶対ではないので、すぐ消えてしまうと思うけど」。エ軍からはチーム別で最多の6勝(1敗)。お得意様を今季も料理するため、3イニングを有意義に使い切った。明確な意図があった49球に、トラウトは「何かを意識していたようだ。今季、彼が何をしてくるか楽しみ」とニヤリ。新たな名勝負の予感が漂ったこの日の2人の対戦を、大リーグ公式サイトも「ダルビッシュがマス(英語でトラウト)を釣る新しいリールを探している」と詳報した。

 「種をまこうとして、いい感じで打たれてしまった。逆にいいイメージを持たれたかもしれないなとすごく不安です」とダルビッシュ。奪三振はゼロ。だが、冗談めかした言葉の裏に自信がにじむ。「(公式戦でトラウトと)当たるかどうか分かりませんけどね」。宿敵との3年目。オープン戦で肉は切らせた。今度は本番で、ライバルの骨を断つ。

 

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