◇楽天5−2ロッテ
楽天−ロッテ 1回表2死一塁、井上(手前)を三ゴロに打ち取る松井裕(市川和宏撮影)=倉敷マスカットスタジアムで
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楽天の松井裕は5イニング4安打無失点だった。力のある速球と切れのある変化球を低めに集めた。ジョーンズは1回に左前適時打を放った。ロッテは古谷が3イニングを1失点。藤岡は速球を軸に3イニングを無安打無失点で先発入りに前進した。
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やはり本物だ。またしてもスーパールーキーが快投ショーを演じた。松井裕(桐光学園)が5イニングをゼロ封。
「点は取られたくなかった。走者を出してもゼロに抑えることができて良かった」。オープン戦2試合7イニングで1点も与えていない怪物左腕は胸を張った。
幕開けは『誤算』だった。登場曲に選んだコブクロの「今、咲き誇る花たちよ」とは別の曲が流れる。「アレ、違うなと(笑)。結構、期待していたので」。レギュラーシーズンまで温存しようという球団側の計らいだった。
ただ、投球には注文のつけようがない。ズラリと9人の右打者が並んだロッテ打線に的を絞らせない。その内容は、初登板だった先月23日の巨人戦以上だった。「前回よりは周りを見ながら、落ち着いて投げることができました」。最速147キロの直球をはじめ、全球種を余すことなく使っての6奪三振。本気モードで抑え込んだ。
チームを3日間離れた影響も、感じさせなかった。先月28日の練習後、卒業式と新人研修会に出席。十分に調整できない状況も「抜けることは分かっていたので、良い意味でとらえようと思っていた。休養十分です」と笑い飛ばした。
威風堂々とした大物ルーキーの快投には、星野監督もビックリだ。「18歳にこれ以上は望めないよ。ここまでゼロに抑えるとは」。想定以上の内容はぜいたくな悩みまで生じさせた。「打たれてほしいような、打たれてほしくないような、複雑だよ。(相手の)誰か1本、打ってほしい」。
先発ローテは当確。現状では、開幕投手を争う則本に匹敵する存在だ。「安打を何本、打たれても、ゼロに抑えれば勝てる。これからもゼロにこだわっていきたい」と松井裕。絶対エースの田中が抜けた先発陣に、太い柱が埋め込まれようとしている。 (井上学)
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