大人気のゲーム「人狼」。テレビ番組やイベント、舞台と様々なメディアに進出し、驚くほどの勢いで広まっている。でも、いざやってみようとすると、ルールが複雑でとっつきにく印象があるのも事実。どうしたら初心者にも楽しめるのか。『決定版 人狼ゲームが100倍楽しめる本』を出版したした高橋一成さんに聞いた。
───私も人狼を何度かプレイしたことがあります。ルールが複雑で、覚えるのが正直大変ですよね。
高橋 それは人狼初心者の方によく言われます。ルールもそうですが、「ゲーム中に何を話したらいいか分からない」「ゲームの中でどういう風にふるまえばいいのか分からない」「どういう風に考えたらいいのか分からない」っていうことの方が大きいみたいです。でも、すでに出版されている人狼関係の本には、そういうことは漠然としか書いてないんですよ。そこで、今回出版した『決定版 人狼ゲームが100倍楽しめる本』には、そういう時のふるまい方を書きました。
───具体的に言うと、どういうことですか?
高橋 例えば、28ページに「騙り(人狼が役職者のフリをして嘘をつくこと)と疑われてしまったら」とあります。ここでは「僕は昼のターンに発言が少ない人の情報がほしくて夜のタームに○○さんを予言しました。その結果○○さんは市民でした。あなた(本物の予言者)はどういう理由でその人を予言したんですか?」と書きました。ゲーム中にこういう風に言うんだよ、というセオリーを描いているんです。
───こういう時にはこういう風に言って、こういう風にふるまいましょう、っていうマニュアルみたいなものですね。
高橋 そうそう。こういうことを書いたのは、この本が初めてです。実はこれ、リスクがあるんですよ。手の内をバラしてることになるし、例えば先ほどの「騙りを疑われてしまったら」のセリフは、人狼だけでなく村人も言えますよね。どっちが言うって決まってない。だから「そう言うんだったら、それを言ったあなたが逆に怪しい!」となる可能性もある。人狼にはこうすれば確実に上手くいくという方法がありません。だからといってセオリーを書かず、やってく上で覚えなきゃいけないことを書かないのは上自然すぎる。だから、もしかしたらこの本は叩かれるかもしれないですね。「人狼はそれ言わないでしょ」とか。
───炎上覚悟ですか。
高橋 でも、初心者は何を言えばいいのか分からない状況で何も言えずに殺されて、何が何だか分からないまま終わっちゃうと、人狼を楽しいと思えないでしょ。…