コラム:ウクライナ問題、注目すべきは中国の出方
[ロンドン 5日 ロイター] - By John Kemp
緊張が続くウクライナ情勢をめぐり各国が異なる反応を示す中、長期的な視点で考えた場合、最も重要となるのは米国でも欧州連合(EU)でもなく、中国の出方だろう。
ウクライナ問題に対する中国のこれまでの反応は例によって控えめなものだが、指導部はロシアの介入を静かに支持し、米国やEUによるロシア孤立化の試みには加担しないようにしている。
中国の人民日報は、欧米諸国はウクライナへの影響力を行使しようとしており、「冷戦時代の思考」にとらわれていると批判した。
ロシア政府によると、プーチン大統領と中国の習近平国家主席はウクライナ問題をめぐり電話会談を行い、互いの見解が近いことを確認した。
<欧米への恐れ>
ロシアと中国の両方にとって最も重要な外交関係は、圧倒的な軍事力と経済力を誇る米国との関係だ。影響力の低下は続いているものの、米国は今も、世界中で軍事力を行使できる唯一の国だ。金融・経済の最も重要な中心地であり、「ソフトパワー」はどの国よりも強力で、同盟ネットワークは全大陸に広がっている。
ロシアと中国はいずれも、対米関係は「協調」や「相互利益」と同時に、「対立」と「競争」に特徴づけられる。両国とも、米政府や同盟国の意図を懸念する理由がある。 続く...