世の中にたえて花粉のなかりせば、とつぶやく。列島が黄や赤の花粉情報に染まっていくのを見ると、かゆい目がますますむずがゆい。アレルギーと呼ばれるこの症状、何かを「異物」として排除する免疫の過剰な働きらしい▼いわばけんかである。迷惑だが、花粉も免疫もそれぞれ大切な役目があって、両成敗ともいかない。どうか仲良く、と願いつつ、このほど公開された道徳教材を開くと、「ともだちとなかよく」。低学年用の本にあった▼いじめ防止が狙いの一つで、来月、全国の小中学生が手にする。共に生きる大切さを教え、命の尊重を説く。異論はない。ただ「日本人としての自覚」「我が国を愛し発展に努める」といった記述に、ふと立ち止まる。食事中に砂粒を
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