須賀川市教育委員会は24日、市立の全小中学校で小中一貫教育を新年度から始めると発表した。9年間の連続性を重視した教育で、子どもたちの個性や能力をさらに伸ばす狙い。小中一貫教育は県内では郡山市が2カ所、檜枝岐村が1カ所で実践しているが、自治体内の全校で実施する例は珍しい。

 須賀川市は10ある中学校区ごとに一貫教育を計画。小中が隣接する「併設型」を第三小中、大東小中、稲田小中の3カ所で、小中が近くにある「連携型」を残り7カ所で始める。今後、稲田小中を改築して2018年に「施設一体型」にする。

 柳沼直三市教育長は一貫教育の効果として「小中学校の教員がお互いの授業にサブティーチャーとして入る。子どもの学力向上の変化を長期にわたってつかめる」と話す。さらに小中学生による学習交流、合同行事への参加などが想定されている。中学生にとっては上級生としての自覚が育つ効果があるほか、小学生には中学生活への抵抗が減り、中学進学時の不登校問題も改善が期待されるという。

 県内の先行事例は、施設一体型が郡山市立湖南小中と檜枝岐村立檜枝岐小中、連携型と施設一体型を合わせたのが郡山市立明健中と3小学校。(増田洋一)