甘利明経済財政・再生相は7日の閣議後の記者会見で、少子化対策として所得税の課税対象を今の個人単位から世帯全体にする案を含めた税制改革の議論に着手する方針を明らかにした。世帯課税をとるフランスの「N分N乗方式」を例に挙げたうえで「政府、与党で女性の社会進出や働き方、税収構造にどういう影響があるか広範な検討を行う」と述べた。
麻生太郎財務相も世帯課税について「それも含めて検討する」と述べ、配偶者控除の見直しなどをあわせて所得税制の見直しを検討する意向を示した。一方、課税対象を世帯単位にすると専業主婦世帯の減税幅が大きくなるため「成長戦略が目指す女性の活躍の推進に逆行するのではないかということもある」とも指摘した。そのうえで「強い問題意識を持っている」と述べた。
麻生財務相は、主婦の働く意欲をそぐとされる配偶者控除の廃止・縮小には「(賛否両論があり)この問題に関しては簡単に言う話ではない」として慎重に検討していく考えを強調した。
世帯課税は家族が多ければ多いほど納めなければいけない税金が少なくなるのが特徴で、少子化対策に効果的とされる。近く政府の産業競争力会議や自民党の政務調査会などで議論を始める。
麻生太郎、甘利明、世帯課税