信用格付:相次ぐ下方修正、韓国企業に何が起きたのか

■中国との競争激化

 ムーディーズは、LG電子の格付け下方修正に関連し、「中国のスマートフォン(多機能携帯電話)メーカーの競争力が高まり、収益性に影響を与える」との見方を示した。

 GSカルテックスについては、「中国などの生産能力拡大で苦しい経営環境に直面した」と指摘した。いずれも中国企業との競争激化で、韓国企業の苦戦を予想したものだ。ポスコの格付け下方修正も、中国の鉄鋼過剰供給による収益性低下が主因だった。

 ムーディーズはまた、ロッテショッピングの格付けを下方修正した背景について、「負債レベルが高く、負債を縮小できる見通しも不透明だ」とし、「国内消費が回復すれば、財務構造も改善する」と予想した。

 ムーディーズはこのほか、KTについて、「モバイル市場での競争激化、固定回線の減収などを考えると、収益性が回復し、A3の格付けを満たすのは当面困難と判断した」と説明した。

 ムーディーズは昨年末、「ウォン高、国内外の急激な景気低迷は、韓国企業の格付け見通しにマイナスに働く」と指摘した。財界関係者は「中国が韓国との技術格差を縮め、日本企業が復活しつつある現在の競争構造を格付け機関が注視している」と分析した。

 しかし、韓国企業に対する相次ぐ格付け下方修正を韓国企業全体の不透明性の拡大と判断するのは尚早だとの指摘もある。

 韓国経済研究院企業政策研究室のキム・ヒョンジョン室長は「最近格付けが低下したのは、内外の経営環境がとりわけ悪かった企業であり、韓国企業の事業や財務状況の安定性が全般的に悪化したと断定することはできない」と述べた。ムーディーズは昨年12月、サムスン電子の格付けを引き上げ、スタンダード&プアーズは今年1月、現代自動車の格付け見通しを上方修正した。

 韓国企業の経営戦略がグローバル・スタンダードを100%受け入れられずにいるとの分析も聞かれる。ソウル信用評価情報のユン・ヨンファン常務は「韓国企業の格付け低下は、世界的な格付け機関による評価基準が財務の安定性をこれまでより厳格に判断する方向へと変わったことと関係している。韓国企業も経営戦略をそうした世界的なトレンドに合わせる必要がある」と指摘した。

金承範(キム・スンボム)記者
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