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【社会】

憲法身近に、学ぶ母 託児付き講座 ファッション誌も特集

「VERY」3月号

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 幼い子どもを持つ母親世代に、憲法を学ぶ動きが広まっている。安倍晋三首相が目指す改憲や憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認は、子どもたちの暮らしに大きな影響を及ぼすと考えているからだ。託児サービス付きの憲法講座が開かれたり、女性ファッション誌が憲法特集を組んだりしている。

 川崎市高津区の高津市民館で六日、「ママが知っておきたい子育てと憲法のおはなし」と題した二時間の市民講座が開かれた。五回続きの四回目で、男女平等を定めた二四条に関するビデオを見た後、意見交換した。

 講座の特徴は託児ができること。市の事業のため受講料、託児費とも無料で、託児を利用する人だけ五回分の保険料九百二十円を負担する。この日も、十七人の参加者のうち三人の女性が子どもを預けた。三歳と一歳の子を連れて参加した川崎市宮前区の主婦関谷望さん(33)は「以前、秘密保護法が話題になり憲法にも興味を持った。託児できるから来られた」といい「子どもの将来に憲法がどう影響するか、よく考えたい」と話した。

 企画した横浜市の武井由起子弁護士は「次代を担う子どもを育てていて忙しい世代でも、来やすいようにした」。自身も四歳の子を育てる母親。講座ではお茶を飲みながら話したり、憲法と生活を結び付けて考えるなど、若い親が参加しやすいよう心掛ける。「知らないうちに憲法が変えられることがないよう注意喚起していきたい」と話す。

 一方、三十七万部を発行する子育て世代の女性ファッション誌「VERY」(光文社)編集者の原里奈さん(42)は、初めて憲法特集を企画した。「幼い子どもたちの未来を決めるのは今の大人。二十年後の社会を良くするため、憲法の知識を持ってほしかった」と狙いを説明する。

 先月発売の三月号(店頭販売は終了)で、五ページにわたる特集を組んだ。「お母さんこそ、改憲の前に知憲!」と題し、ジャーナリストの堀潤さん、弁護士で母親の太田啓子さんら二十〜四十代の男女五人による憲法トークを掲載した。太田さんらは、平和憲法の見直しで子どもたちが将来、戦地に向かう懸念にも言及した。

 発売後の一カ月間で、読者からは「自分の無知が恥ずかしい」「勇気を出して他のママに憲法の話をしたい」など反響が寄せられたという。

 VERY三月号の購入申し込みは、光文社直売係=電03(5395)8102=へ。 (新開浩、上野実輝彦)

 

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