米誌ニューズウィーク(電子版)は6日、インターネット上で流通する仮想通貨ビットコインの考案者として、米カリフォルニア州ロサンゼルス市近郊に住む64歳の男性を写真付きで紹介した。米メディアはこの男性に話を聞こうと自宅周辺に押しかけている。
同誌によると日系米国人の男性の名前は「サトシ・ナカモト」。ビットコインが生まれる直前にネット上に公表された、金融機関を介さない電子マネー(ビットコイン)の理論を説明した論文の著者名と一致する。ネット上で名前がひとり歩きして「偽名だ」などの臆測が飛び交っていた。
ニューズウィークの取材にナカモト氏は「私はもう(ビットコインに)関わっておらず、お話しできない」「現在は引き継いだ他の人々が管理している。私はもう無関係だ」と述べた。同誌は、発言内容が考案者本人であることを示唆しているとの見方を示した。
一方、AP通信は6日、「ナカモト氏がビットコインの生みの親であることを否定した」と報じた。
ナカモト氏は大分県の別府生まれで、子供の頃に米国に移住した。カリフォルニア州立工科大学を卒業した後、航空やIT(情報技術)などの企業で働いた経験があるという。6人の子供がおり現在はロサンゼルス近郊のテンプルシティーにある一戸建てに住む。
時価で4億ドル(約412億円)相当のビットコインを所有しているとされる。自家用車は日本車のセダンとみられ、取材に応じた時の服装は「しわくちゃのTシャツと着古した青いジーンズ」だったとニューズウィークは紹介した。
(ニューヨーク=蔭山道子)
ニューズウィーク、ビットコイン、インターネット上、ニューズウィーク誌、ナカモト、セダン