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経済
所得税の課税対象を個人から「世帯」単位に 政府・与党が見直し検討
2014.3.7 11:20
政府・与党は7日、少子化対策として、所得税の課税対象を現在の個人単位から世帯単位に見直す検討に着手する方針を明らかにした。年末の平成27年度税制改正に向けた焦点の1つとなりそうだ。
甘利明経済再生担当相は7日の閣議後記者会見で「(世帯単位への見直しが)税収や女性の働き方にどのような影響を与えるのか広範な分析を行う」と述べ、経済財政諮問会議や産業競争力会議で議論を進める考えを示した。
所得税を世帯単位に見直すと、子どもが多いほど所得税が少なくなるため、少子化対策になるとの指摘がある。ただ、世帯収入が同じなら、共働き世帯より専業主婦世帯の方が恩恵が大きくなる。このため、麻生太郎財務相は同日の閣議後会見で「安倍(晋三)政権が成長戦略で目指す女性の活躍推進に逆行することになる」と述べ、慎重な議論が必要との認識を示した。
一方、政府・与党は同時に配偶者控除の見直しについても検討に着手する。現在、専業主婦は、パートなどの年間収入が103万円以下なら控除が受けられ、夫の税金が減る仕組みがあるが、これが女性の働く意欲を阻害しているとの指摘もある。ただ、同制度の縮小廃止すると低所得者ほど税負担が増す可能性も懸念されている。
このため、麻生氏は「中立的な制度構築に向け、見直しに積極的な意見と慎重な意見があり、簡単にいく話しではない」とし、制度の見直しには高いハードルがあるとの見解を示した。
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