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ビットコインといえば、世界史上最も成功している仮装通貨であり、ピーク時には一日に500億ドルもの取引が行われるまでに急成長した。
数年前、まだビットコインがメディアにも登場していない頃、約2000円分だけ購入したことを忘れていた人物が、ある日テレビでビットコインのニュースを見て必死でパスワードを思い出し、自分のアカウントをチェックしたら口座残高が何千万円分にも膨れ上がっていたことがわかり、まもなく換金して家を建てた。そんなニュースにビットコイン利用者たちは沸きあがった。
一方で利用者の足がつかないことから、麻薬取引やマネーロンダリングなどの違法活動との関連性が指摘され、アメリカではFBIの監視対象ともなっており、2013年にFBIはオンライン闇市・シルクロードを閉鎖し、2850万ドルを押収した。また中国政府は同年末にビットコインの規制を発表。同時にビットコインは大暴落した。先日2月26日には東京都に拠点を構えていた大手取引所のマウントゴックス（MT.GOX）が取引停止・破産し、114億円が事実上消滅するなど連日メディアを賑わせている。
実は、このビットコインのもとになる論文「BITCOIN : A PEER-TO-PEER ELECTRONIC CASH SYSTEM」に署名されていた名前が、SATOSHI NAKAMOTO（サトシ・ナカモト）とあったことから、ビットコインの生みの親が日本人であると推測されてきたものの、その人物が実在するかどうかなどはすべて謎に包まれていた。
しかし、本日3月6日、オンライン版「ニューズウィーク」誌が、「BITCOIN’S FACE（ビットコインの顔）」と題する大スクープ記事を掲載。これまで謎に包まれてきたビットコインの生みの親とされる日本人・SATOSHI NAKAMOTO（中本哲史）さんを見つけ出し、その素顔と自宅写真までを公開。これまで実在するかどうかさえわからなかったNAKAMOTOさんの素顔が遂に明らかになった。
ニューズウィーク THE FACE BEHIND BITCOIN
ニューズウィークの記事によると、中本氏はカリフォルニア州ロサンゼルス近郊のテンプルシティ在住、64歳の日系アメリカ人。本名もそのままで、同誌によると中本氏は「しわくちゃなＴシャツに、古びたジーンズ、白い靴下、髪型はボサボサで手入れがされていない。靴をはいていなければ、まるでたったいま急いで家を飛び出したばかりかのよう。」「三人兄弟の長男」「車はトヨタカローラCE」「カリフォルニア州立工科大学ポモナ校卒業で、物理学を専攻していた」「鉄道模型収集マニアで、そのキャリアは大企業や米軍のため仕事をしたという以外は秘密で覆い隠されている。ビットコインの父であることは、本当の家族も知らなかった。」と紹介している。
中本さん本人と自宅の写真や、記事の詳細は是非ニューズウィーク本誌の記事 THE FACE BEHIND BITCOINでチェックしていただきたいが、これを受けて、テレビ局ＮＢＣの子会社ＣＮＢＣが自宅を突撃取材する映像も公開された。ドア越しに答える中本さんは、こもり気味の低い声で「（CNBCは）知りませんし、興味がありません」と取材を拒否した。ただ住所や自宅周辺の映像までが放送されており、プライバシーや身の危険などが危惧される。同記事コメント欄には「家の写真まで公開するなんて（ニューズウィークは）気でも狂ったのか？」というコメントに1000件の同意がある一方で、「なんでニューズウィークは殺し屋を雇わなかったんだ？」といった物騒なコメントに400件もの賛同ボタンが押されている。
マウントゴックスの破綻により、全財産を失ったという人々が不満を爆発させているこの数日であるが、彼らの矛先が中本さん個人に向かないことを祈りたいところ。別の報道によると、本日シンガポールではビットコイン取引所の経営者が自殺と見られる不審死を遂げるなど、ビットコインに纏わる事件は後をたえない。
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