NHK出版:着服の編集長免職 架空発注など1350万円
毎日新聞 2014年03月06日 21時22分
NHK子会社のNHK出版は6日、架空の校正業務の代金や空出張の経費など約1350万円をだまし取ったとして、同社放送・学芸図書編集部の河野逸人(かわの・はやと)編集長(52)を同日付で懲戒免職処分にしたと発表した。
同社によると、河野元編集長は2003〜13年、ドラマの関連本などの編集で、架空または不要な校正業務を63件発注し、約900万円を受注先の親族に支払わせた。また、私的な飲食代や空出張の経費など約350件、計約450万円を請求。昨年12月に内部通報によって発覚した。
河野元編集長は着服した金について「主に親族の負債返済に充てた」と話しているという。全額返済する意思を示しているが、NHK出版は返済が滞るようなら刑事告訴も検討するという。伝票類は編集長が決済し、上司の部長がチェックする仕組みだったが、不正に気付かなかった。
河野元編集長は、1985年NHK出版入社。00年に現在の部署の副編集長となり、06年から編集長を務めていた。記者会見したNHK出版の野崎隆常務取締役は「信頼を裏切る結果を起こしてしまい、心よりおわびする」と陳謝した。【土屋渓】