スタッフの人数は……なんと2400人以上! 世界最大規模のスタジオに潜入!! モントリオールスタジオ取材リポート Vol.1

ユービーアイソフトから発売予定のWii U/プレイステーション4/プレイステーション3/Xbox One/Xbox 360用ソフト、『ウォッチドッグス』。本作の開発を手掛けるユービーアイソフトの“モントリオールスタジオ”の様子をお届けしよう。

●世界最大のゲーム開発スタジオ

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【2013年9月10日14時40分追記:記事タイトルに誤りがあったため修正しました】


 『アサシン クリード』シリーズや『ファークライ』シリーズを始めとする、いわゆる“ユービーアイソフトの看板タイトル”は、そのほとんどがカナダ・モントリオールにあるゲーム開発スタジオ“ユービーアイソフト モントリオールスタジオ”(以下、モントリオールスタジオ)で開発されたものだ。

 モントリオールスタジオは、2000人以上ものスタッフを擁する、世界最大規模のゲーム開発スタジオ。この場所では、未発表の作品も含めるとつねに10以上のプロジェクトが動いており、その多くがトリプルA級のビッグタイトルだという。まさに、ユービーアイソフトはモントリオールスタジオを中心に回っていると言っても過言はないだろう。果たして、モントリオールスタジオとは、どのような場所なのだろうか? 

 ということで、ファミ通.com取材班は、2013年8月にアップしたユービーアイソフト トロントスタジオ取材リポートに引き続き、モントリオールスタジオへの取材を敢行。ユービーアイソフトが誇る超巨大スタジオの様子をお届けするとともに、同スタジオで現在開発中の『ウォッチドッグス』の開発におけるキーパーソンにお話をうかがった。これから3回に渡ってその内容をお届けしていくので、最後までお見逃しなく。

 カナダにゲーム開発スタジオが集まる理由は、トロントスタジオへの取材(→【コチラ】)でお伝えした通り。カナダには、政府によるゲーム産業への税制優遇措置があるからだ。そのため、世界中のゲーム開発スタジオがカナダに集結しているのだが、その中でもっとも規模が大きいのが、モントリオールスタジオである。同スタジオには、現在2400人以上のスタッフが働いており、これは単体のゲーム開発スタジオとしては世界最大規模を誇る。つまり、従業員数だけを見れば、世界でトップのゲーム開発スタジオとも言える。


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▲レンガ造りが特徴的なモントリオールスタジオ。世界でもっとも規模が大きいスタジオだ。

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▲スタジオの受付。毎日多くの来場者でにぎわっているという。

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▲ユービーアイソフトが来る前は、この建物はデニムの製造工場だった。そのため、一部の壁にはジーンズが貼られているのだとか。

●16年間で、50人→2400人

 いまや世界最大のスタジオとなったモントリオールスタジオだが、設立当初は50人からスタートしたという。1997年、カナダのケベック州は、ユービーアイソフトのオーナーだった5人のギルモ兄弟にコンタクトを取り、スタジオ設立を進言。当時のユービーアイソフトは『レイマン』や『ドライバー』といったブランドをすでに抱えていたが、ケベック州の土地柄に惹かれたユービーアイソフト首脳陣は、この地に50人のスタッフを送り込んだ。それがモントリオールスタジオの歴史のスタートだ。それから冒頭で挙げた『アサシン クリード』や『ファークライ』、そして『レインボーシックス』や、(現在はトロントスタジオへ移ったが)『スプリンターセル』といった人気のシリーズを多数輩出したことで、スタジオの規模は一気に膨れ上がり、16年間で従業員数は2000人以上も増加した。

 現在、カナダ全体ではおよそ16000人がゲーム業界関連の仕事に就いており、モントリオール全体で8000人と言われている。つまり、カナダ全体で15%、モントリオールで30%が、ユービーアイソフトに雇用されているというわけだ。ちなみに、カナダのゲーム業界の平均年収は7万2000カナダドル(2013年9月のレートで約680万円)だとか。カナダの一般家庭の世帯平均収入が4~5万カナダドル(380~480万円程度)なので、ゲームクリエイターの給与はかなり恵まれていると言えるだろう。


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▲スタジオの中には仕切りがなく、オープンな作りとなっている。

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▲モントリオール・カナディアンというホッケー・チームと『アサシン クリードIII』のコラボ。

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▲スタジオの壁には、ユービーアイソフトの創造力を示すメッセージが刻まれている。“クリエイティブ・マインドはオープンである”。

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▲モントリオールスタジオがこれまでに手掛けたソフトが壁に並んでいる。

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▲モントリオールの街を一望できる屋上。週末はこの場所でパーティーが開かれるという。

●モーション・キャプチャースタジオ“アリス”

 モントリオールスタジオの中には、大規模なモーション・キャプチャースタジオやサウンドデザインスタジオが設置されており、それらを総称して“アリス”と呼ばれている。モーション・キャプチャーを知らないという人のために簡単に説明しておくと、キャラクターの3Dモデルを担当する役者が、体の各部位に特殊なマーカーを設置して声、顔、体の演技を行い、その動きをスタジオに設置された機器でデータ化。これにより、俳優のリアルな演技がそのままゲームのキャラクターに反映される仕組みのことだ。“アリス”はカナダで最大級の大きさを誇るスタジオで、モントリオールスタジオだけではなく、世界各地にあるユービーアイソフトのほかのスタジオからの依頼を請けることもあるらしい。モントリオールスタジオのスタッフの話によると、世界中でメガヒットととなった映画『アバター』のジェームズ・キャメロン監督が、“アリス”を視察するためにモントリオールスタジオを訪れたことがあるそうだ。


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▲“アリス”があるオフィスの一角。キャプチャーしたデータを世界中のスタジオに送る。

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▲この日は、モーション・キャプチャースタジオで収録中だったので、中に入れなかったのが残念。

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▲効果音はこの部屋で作られる。木が割れる音は、実際に木を割らずに、パスタを割ったほうが“それっぽい”音を出せるのだとか。

●話題の『ウォッチドッグス』開発現場へ

 モントリオールスタジオでは、未発表のタイトルも含めて、現在およそ15個のプロジェクトが進められているという。その中でも、もっとも注目度が高いのが『ウォッチドッグス』だろう。E3 2012(毎年アメリカで開催される、世界最大規模のゲーム見本市)でサプライズ発表されるやいなや、ゲームファンの注目の的となり、最新情報が出るたびにゲーム関連のコミュニティーがにぎわいを見せる、期待の完全新規作だ。このゲームについてもっと知りたい方は、ファミ通.comの過去記事を参照してほしい。


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【ユービーアイソフトの大注目作はとんでもない代物だった! 『Watch_Dogs』プレイリポート【gamescom 2013】】
【『Watch_Dogs』を持っていなくても『Watch_Dogs』のプレイヤーとオンライン対戦ができるトンデモアプリが登場!【gamescom 2013】】
【シングルプレイとマルチプレイが融合する新たなスタイル『Watch_Dogs』クローズドデモリポート&開発者ミニインタビュー【E3 2013】】

 『ウォッチドッグス』は、新世代機に対応する新作ということで、開発チームの撮影は決められた場所でのみ行うことができた。……さすがにガードが固い! スタジオ内の取材ができないなら、せめて話だけでも……というわけで、『ウォッチドッグス』の主要スタッフへのインタビューが実現することとなった。その内容は、2013年9月11日(水)更新予定の記事でお届けしよう。


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▲“この先、『ウォッチドッグス』の開発チーム”の目印。ここからは写真撮影はほぼ禁止。

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▲『ウォッチドッグス』の開発チーム。皆集中して机に向かっている。



(C)2013 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Watch Dogs, Ubisoft and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries. ※画面は開発中のものです。

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