旧日本軍の従軍慰安婦を巡る河野談話の検証作業を韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相が批判したことに対し、日本政府は6日、ジュネーブの国連人権理事会で「河野談話を見直すとは一度も言っていない。菅義偉官房長官も政府の立場は河野談話の継承だとしている」と反論した。

 日本の在ジュネーブ国際機関担当の岡田隆大使が発言を求めた。「日本は過去、特にアジアの人たちに多大な損害と苦痛を与えた。政府は何度も痛恨の気持ちを示し、心から謝罪をしてきた」と強調。元慰安婦を含む個別補償問題は条約で解決済みだとした上で、元慰安婦には苦痛の軽減のために「アジア女性基金」を通じて償い金を支払い、首相のおわびの手紙を送っている、と説明した。「安倍首相は、21世紀は女性の尊厳と基本的人権の侵害がないようにすることに力を注いでいる」とも訴えた。(ジュネーブ=前川浩之)